ZX-12R TOKICO 6POTキャリパー オーバーホール 分解清掃
2023/12/07
部品が揃ったところでTOKICO ブレーキキャリパーのOHを開始します。
ブレーキの引き擦り具合を確認します。
すぐに止まり、ほぼ回りません(;´Д`)
ディスクが歪んでいるのか・・・?←伏線w
ブレーキフルードの抜き取り
ブリーダーボルトにホースを取付け少し緩めてヘコヘコとオイルを抜いていきます。
なにやら色付きの怪しいフルードが出てきましたが思いのほか溜まりませんでした。6POTなのでもっと多いと思ってた。
キャリパー取り外し→分解
キャリパーを分割するボルトを軽く緩めておきます。
もう左右のボルトも軽く緩めておきます。
キャリパーを取り外したら緩めるのが大変なので先にやっておきます。
キャリパーボルトを外して、ホースバンジョーにマーキングをしてボルトを緩めてウエスで巻いて取り外しは完了です。
ホイールをキャリパーなしで回してみます。
くるくると勢い良く回ります!
これが普通なんですけど・・・。
水洗ができる場所に持ち込んでいよいよ分解です。
ブレーキダストカバーを外します。
ボルトがカチカチです(;´Д`)
ブレーキパッドが顔を出しましたがパッドピンの腐食がエグイです(;´Д`)
また摺動部がエグれています(-_-;)
βピンを抜きパッドピンを抜いてパッドを取り出します。
安定のYAMASHIDAでした(;´Д`)フォークオイルが染み込んでエエ出汁でそうw
キャリパーを分割してみます。ボルトの腐食がエグイです。 赤白サビだらけ。
とりあえずオイルラインのシールを各2個外してキャリパーを割ってから前洗浄します。
左キャリパーはフロントフォークのオイル漏れでパッドが腐ってキャリパーピストン周りが真っ黒です(;´Д`)
ゴシゴシゴシゴシとにかく洗います。結構時間はかかりましたがこの程度(;´Д`)これでも健闘した方です。
ピストンの取り外し
今回はキャリパーピストンツールを使うので余裕かと思いましたがシールが腐っているのかAGのフルパワーでもなかなかピストンが抜けてくれません(;´Д`A ```
平べったいツールをかなり強く握ったまま、ねじねじ左右に振りながら上方向に引き抜く作業は、苦行そのものです。
Brembo M4などのモノブロックは分割できないのでピストンを抜き取るのに苦労しますが、“分割できるキャスティングなら真っすぐ抜きだせるので数は多いが余裕やろ“って感じで始めましたがピストンがほぼ固着状態なのでかなりの力を必要としました。
・キャリパーピストンツール
ピストン内側からひっかけて抜くのでピストン表面にキズがつきません。(マストアイテムです)
途中で止められないので12ピストンを根性とパワーで外しきりました(*´Д`)この時点で心折れかけてます(-_-;
分解を開始してからすべてのピストンを抜き去るのに2時間近くかかってしまいました。
※今回使用したアストロのキャリパーピストンツールは持ち手のところが平べったいので、固着したピストンをフルパワーで抜くときは平たい持ち手に応力が集中するため強烈に掌が痛くなります。 ホント痛いです( ノД`)シクシク…。
なので”持ち手が幅広かつ開いた状態でロックがかかる”以下のタイプの方が持続して握ってられるのではないかと思います。
シールの取り外し
これも簡単に外れると思い爪楊枝でほじほじと取ろうとしましたが固着が酷くてなかなか外れてくれません(´Д`;)キャリパー本体を傷めないよう爪楊枝を使ったのですが最終的に30本くらい折ったかもしれませんがようやく24ワッカすべて外しました。でも固着していたのでシール溝にゴム成分がこびりついているのでこれを「ブレーキキャリパーほじほじ君」で慎重にほじっていきます。最終的には爪楊枝でフィニッシュ 今度は10本くらい消費したか・・・
外したピストンです。
錆がエグい さすが鉄ピストン(-_-;)
・ブレーキキャリパーほじほじ君
以下は近しい商品です・・・
大小様々なほじほじツールがついているのでいろんな形のシール溝に対応。
あまり力を入れすぎるとアルミキャリパーにキズが入るのでほどほどがよろしいかと。
ボルトの錆取り
・強力サビトルキラー
モーターショウでネタ買ったのがまた役立ちました。
ゴリゴリとペーパー掛け時間が短縮できます。
ちょっと匂いがキツめですけどw
サビっさびのボルト・ブリーダー・パッドピン達にサビトルキラーを塗布して10分以上放置です。
20分放置後
水洗いして水気を除去してから防錆剤を塗布して下準備は完了です。
トルクがかかるボルトはネジ部に「二硫化モリブデングリス」の塗布がおすすめです。
・二硫化モリブデングリス
少量で十分、安価ですし(^^)v
ドカの整備ではキャリパーボルト、アクスルナット・ボルトに当たり前のように使っていました。
いわゆるかじり防止です。
ピストン磨き
ブレーキダストとシールが固着してコテコテのピストンをピカールなどの研磨剤で磨き倒します。
ある程度ピカピカにしてからパッドの当たり面が錆びてたので粗でペーパーで削ってから強力サビトルキラーを塗布して再度削り取り、番手の細かいプラモ用極細コンパウンドで仕上げてフィニッシュ。
見よ!この輝きを!
ピストンサイズは一番下(フォークから遠い方)が
小径
φ24mm(23.94)
×t:23mm(22.54)
その他大径φ27mm(26.94)
×t:23mm(22.46)
でした。
ピストン高さはおそらくSTDが23mmのところ22.5mmに減った原因は錆を取ったせいだと思われます。
さすが鉄ピストン、スズキのアルミピストンに変えればよかったなと後悔(´Д`;)
数が多くて朽ちていると疲れます(*´Д`)
・ピカールケアー
・タミヤ コンパウンド(細目)研磨 No.69
・タミヤ コンパウンド(仕上げ目)研磨 No.70
コンパウンドは梱包用ラップなどにつけて使うと無駄なく使えます。(ウエスは染み込んでしまいもったいない)
キャリパー本体の洗浄
中性洗剤でブラッシングしても真っ黒なのが落ちません(´Д`;)
かなり格闘しましたが最終的にはパーツクリーナー + ブラッシングでなんとか除去に成功。
完璧とは言えませんが妥協の産物です。
左キャリパーだけ黒いのが付いていたのですが、フロントフォークから漏れ出したオイルで確定でしょう。
パッドもオイリーだったのでブレーキシステムとしては深刻な状況だったかと・・・
ちなみにナシ地の外装はケミカルスポンジを使うと汚れが落ちやすいです。
・激落ちくん
全て洗浄が終わったところでエアーで水滴を吹き飛ばしてから完全乾燥させるため数日間寝かせます。
しんどいって!
ホントしんどい。。。(;´Д`A ```