1098S roll out

2021/10/06

1098Sを引き取ってきてから127日間 約4か月間で大小約70品目のパーツ中およそ半数を自力で補修&破壊&取付けし、途中CRF250Lにて2度の転倒に見舞われ骨折しながらもようやく1098Sが日の目を見ることができました(;´Д`A ```

作業の途中から “いじること” が楽しくなってきて整備そのものが趣旨となりかけましたがなんとかここまで辿り着けました。
整備や補修のスキルも大したないのに妄想ばかりが膨らんでパーツを個人輸入までする始末。
しかし848EVOにて長期間に渡り装着してきたパーツを知見があるからといって1098Sに一気に移植したのは無謀だったと少し反省しています。

余談ですが外に出した時2人に “この車両キレイですね” とお褒めの言葉をいただきました!
あまりにも状態が良くなかった(汚れ・錆・経年劣化)ので、

AG史上この上ないほど磨き倒しました

からね。
その一言で苦労が報われた気がします(*´Д`)
ただスイングアームはアルマイト処理なので磨きすぎはダメと言われました。
ですよね、でも孔食が酷かったもんでつい・・・。

バイクショップでスプロケ交換を終えてから改めてバイクを日の下で見ると、ガリキズの補修跡がさほど目立たず、外装全体がぷるっと艶やかな色合いで仕上がっており非常にキレイに見えました。磨き倒した甲斐がありました。

いよいよロールアウトです。
(以下インプレはあくまで848EVOとの比較になります。)

始動

セルを押すとゆっくり重めのクランキングからエンジン始動、848EVOよりも重低音が効いており乾式クラッチがガチャガチャ鳴っています。
形はほぼ一緒ですが異質な車両に感じました。
早速、奈良は月ヶ瀬方面に向けて1098Sを走らせます。

ギア比変更の効果

848EVOでは十分乗って特徴がつかめた時点での交換につき、変化がハッキリと感じられたのですが、1098Sは4ヵ月前にバイク屋さんからピットまでの往復8kmをだらだら流しただけでノーマル仕様の走りがわかっていない状況でのギア比変更なので結論としては848EVOよりも少し乗りやすくなったという感想です。

2次減速比だけ見れば14T化848EVO : 2.785 に対して 14T化1098S : 2.714 その差0.071
0.1変われば変化が解るので848EVOより若干ハイギアード(ロング)よりでシフトチェンジの忙しさをあまり感じませんでした。

道中は市街地ですので大してアクセルは開けられませんが、どのギアでもグイグイと押し出してくれる加速感スプロケ交換の効果アリと判断します。
ギア比の変更効果もありますが、トルクも低回転からアクセルをひねるとドンっと押し出されるようなピックアップの良さ。
848EVOでの反応は回転と共にやってきますが1098Sは誤差0イメージです。
これがどっかで見た「地面を蹴飛ばすような加速」という表現なのかもしれません。
どっちでもいいですがマイルドさが微塵もない潔さ、まさに暴力的加速ですw

市街地を抜けて奈良に入ったころにはだいぶキャラクターが掴めてきました。
なんせ車格はほぼ同一ですから馴染むのは早いです。

クラッチの異変?

市街地のストップ&ゴーでいつもは半クラにてそろりと発進しますが、信号の変わりよそ見からの急発進時に半クラ状態でアクセルを大目に開けるとクラッチからギュギュ~って異音と振動が伝わってきます。
以前にサーフレックスのスリッパークラッチにてデフォルトで上記に似た現象が発生すると聞きましたが、おそらく同一事象でしょう。
壊れているわけではないのですが発進時に半クラでトルクをかけるとギュギュ~となるのが気にかかります。
本件は後日バイクショップに確認します。

ギュギュ~の原因(後日)

これがジャダーといわれるものだそうです。
半クラ時に過負荷をかけるとプレートが密着したり離れたりを繰り返すときに鳴る音だそうで、故障ではなく乾式クラッチならなりうる話だそうです。
ジャダー対策は一部の部品を変えただけでは解消されにくいのでクラッチをごそっと交換するくらいしないといけないようで、そのまま運用するのであればクラッチに負荷をかけすぎないようにやさしくすばやくクラッチミートさせることだそうです。
急発進させることはあまりないのでうまく付き合っていきたいところ

Pass section

走り慣れた道での挙動の確認とタイヤの皮むきを行います。
現在1098Sの装着タイヤはBS BATTLAX HYPERSPORT S21というツーリング&スポーツ走行レンジのタイヤなので、ガンガン峠を攻めるようなタイヤではないことと半年前に導入してサイドが全く使われていないので少し慎重に走ります。

848EVOに装着していたPIRELLI DIABLO SUPERCORSA SC と比較してS21はロングライフですがグリップ性能に関してはダウングレード版ですので無茶は禁物です。
バイク屋さんからも「峠で膝を擦らない限り大丈夫です。」と言われています・・・

いよいよ峠区間に差し掛かったところで、ちょこちょこご一緒させていただいている知人とすれ違いました。
新しい車両に乗り換えたとのことで気付くのが遅れました。
MONSTER1100EVO から PANIGALE959 に乗り換えられ、お互いお披露目を楽しみにしているのです。
その時は確証がなかったのでUターンして追いかけるのも人違いだとバツが悪いのでそのまま走ります。

初1098Sで初オーリンズ × ほぼ新品スポーツタイヤでいつもとは違うので余裕のあるペースで丁寧に走りました。
挙動は想定内で乗りやすいです。
かといって油断した走りをしたら裏切られるかもしれませんが、それは848EVOも同じです。
違いといえばレーンチェンジが気持ち悪いくらいスムーズです。
タイヤのせいでしょうか?(BS S21

さほど違和感もないまま無事に“湖畔の里 月ヶ瀬”に到着しましたが、駐車場は観光客でごった返していたのでスルーしてフィールドを自動車専用道に変えます。
そういや今は梅の季節でしたね。

High speed section

自動車専用道の合流時の加速は十分すぎるほどあります。
高いギアに入っていてもアクセルをひねると凄いトルクで押し出してきます。
そのまま開け続けるとフロントタイヤの接地感が抜けていきます。
アクセルを乱暴に開けるとフロントは簡単に浮いてきます。

さすが1098ここまで違うか・・・

アクセルを開けるのを躊躇してしまうほどの加速と音、えげつないです
1098ECU変更で160ps程度、V4とかは200psを超えてますけど、どないなるんでしょうか?

足回りの感触

オーリンズの足が柔らかいのか?けっこう動きます。
後で確認したらそれほど負荷をかけていないのに底面から5mm程度上までストロークしているようでした。
細かいギャップはSHOWAと比較して吸収してくれているようで乗り心地はまぁまぁだと思います。
車両に合わせるか?ライダーに合わせるか?の2択でいえばAGは前者で足回りをセッティングをすることが苦手なので気になるところだけ調整したいと思います。
初見ですが、オーリンズスゲー!とはなりませんでした。

ブレーキ

ディスクは純正のφ330から848EVOに搭載していたφ320 t=5.5mm Bremboリプレイスのフルフローティングディスクに、パッドはZCOO Type C ZRM-B005Cを1098Sに移植している同条件。
キャリパーはM50と同機種、ブレーキマスター(セミラジポン)がアップグレードしている?だけの仕様です。
効きは同じだと思います。

ディスクの恩恵か安定した制動力です。
直径の大きな純正セミフローティングディスクφ330とは別格の効きなのでラジアルポンプマスターを変えるよりも効果覿面です。

熱さ

当日は気温が少々低かったせいなのか、水温上昇が緩やかで市街地に降りても100℃に達することもなく右裏太ももへの熱ダメージもありませんでした。
実績的に848EVOで同コースを走ると水温が104℃を超えてファンが回って熱々になるんですけど、違いといえば排気量アップと乾式クラッチですがなんなんでしょうか?

下山して外観チェック


①クラッチはプレッシャープレートのベアリングから透明のグリスが出てきてプレッシャープレートが汚れています。

②スイングアームはチェーンガードがないので錆鉄粉とチェーンオイルが飛び散っていますw

足回りはある程度煮詰める必要がありますが、その他は今のところ文句をつけるところはありません。
強いて言えばパワフルすぎてアクセルワークは慎重にというところでしょうか。
低速走行はギア比変更の影響もあり苦手です。

アフターファイヤー

848EVOではアクセルオフだけでバンバンとうるさかったのですが、そういや1098Sは全く鳴りませんでした。
燃調がバッチリなのか薄いのかはわかりませんけど・・・
壊れなければいいのですが全く鳴らないのはちょっと寂しい気がします
O2センサー取ったから?…関係ないですかねw

4ヵ月ぶりに乗った大型バイク。 6年ぶりに乗ったリッターマシン
車格がほぼ同一で新鮮味に欠けるところがあり乗り換えた感がやや薄いですが、総じて楽しい初乗りでした。

振り返って

1098S発見から本記事ロールアウトまで4ヵ月余りで30話、本当に長い道のりでした。
手直しと称する“お色直し”でここまで手間暇かけたのは最初で最後かもしれません。
整備が完了してやることがなくなった今、ちょっと寂しかったりしますw
(小さなことですがまだやりのことたことはあります。)

総額に関しては整備済みの中古車両をバイクショップから購入する金額よりは安く上がりました。(スタンドやら工具なども含む)
そして自身で手直しをすることは構造の理解が深まりスキルアップにもつながる上、愛着も沸いてきます。
でも工具やスタンド類が増えて置き場に困りますw
前オーナーに生まれ変わった1098Sをお披露目しに行こうかと思ったりしています。

ふと思い出す

何処ぞの掲示板に書いていたことを思い出したので掻い摘んで記述します。
1098を検討中の初心者に向けたコメントで・・・

悪いことは言いません、色々楽しい想像に浸っておられるようですが「相応の覚悟」を持って接するべき相手で、間違っても「ブランド品」ではありません、その実像を良く知ってから考えた方が賢明です。
先ずは変にイジられてないノーマル仕様でその実体を理解してから、走り方や足回りのリセッティングで積極的に乗り手が近づかないと箸にも棒にも掛からない代物です。
他のメーカーSSとは本質的に違う、変な表現ですが、曰く性能追求モデル故の「野生の機械」だと表現しておきます。

“味が濃いのは保証しますが、口に合うかは「分かりません」”

大袈裟ですが上手い言い回しですし、あながち間違ってはいないと思いますw
AG的としては大型免許を取っていきなり乗るにはハードルが高いと思いますが、結局自身の好きなバイクに乗ればいいと思っているのでAGは止めたりはしませんw
クセ強めですので少々Mっ気がある人なら大丈夫かと思いますw

AGは848EVOから1098Sに乗り換えた正常進化型?なので特性は十分理解したうえであえてヘンタイ道に飛び込んでいるので初見でも対応できているのだと思います。

1098Sは848EVOより味が濃いことが理解でき、AGは濃い味付けのバイクが好みなのだと再度認識できました。

というわけで現段階では848EVOから1098Sに乗り換えたことに後悔はしておらず、むしろ英断だったと認識しています。

無事ロールアウトできた1098S 本格稼働です。

・余談
ロールアウト以後半年経過しましたがネタが同じ分だけ溜まってきました(;´Д`A ```
なのでまだまだつづきます・・・

-DUCATI 1098S