1098S シフトがNに入らない問題 対策その2 ①原因考察とパーツ発注
2023/06/02
クラッチユニットを外し各所検証した結果から今後の方針を検討します。
クラッチを分解検証した結果
・クラッチバスケットとフリクションプレートの隙間
全て0.6mm超え1.0以上:NG
・フリクションプレートの羽外観 ほぼ全て摩耗&バリ上がり:NG
・フリクションプレートの厚み全て規格下限気味:OK
・クラッチバスケットの外観全て打痕酷い:NG
・スチールプレートのひずみ奥から2枚目ひずみ大(0.2mmシクネスすこすこ):NG
というわけでクラッチキットとバスケットの両方が要交換と思われる。
しかし、2020年にバイクショップで納車整備(7,400km)をしてもらったときのクラッチバスケットの写真と比較したら、その時すでに目立つ感じで打痕がついていました。打痕深さはわかりませんが
ということはAGのクラッチの使い方としては問題がなかったと言えなくもないw
前オーナーとAGのどちらがとどめを刺したかはさておきクラッチが減っているのは事実です。
クラッチ動作と不具合原因
クラッチ動作について(自身へのおさらい)
①クラッチレバーを握る
②油圧でレリーズシリンダーがプッシュロッドを押す
③プレッシャープレートがストロークする
④フリクションプレートとスチールプレートが離れて駆動が切れる
クラッチが切れる
検証結果より
①クラッチバスケットの打痕(段差)にフリクションプレートが引っかかりフリクションプレートの動作を阻害した。
②スチールプレート(奥2枚目)の歪みが動作不良を起こした。
上記2つの要因で動作不良が発生しクラッチが切れなかった可能性があります。
クラッチ切れが悪い原因としては通常であれば車体左側のクラッチレリーズピストンのストローク不良が考えられるが、クラッチバスケットの摩耗によるフリクションプレート動作不良そしてスチールプレートの歪み説が浮上してきたのでこれについて確認していきます。
この時すでに3月中旬、早々のドック入りから延長戦の様相を呈してきた。
クラッチ部品の発注
クラッチ切れ不良の原因がレリーズシリンダーもしくはクラッチキットに絞り込めたのですがクラッチキットとバスケットの交換は遅かれ早かれ必要という判断により部品の発注を行います。
いっそのことスリッパークラッチキットに換装したいところではありますが価格的に高いので純正クラッチ対応のプレートキットとバスケットを模索します。
紆余曲折ありましたが検討の中身は割愛して以下のパーツに決定
クラッチキット
SURFLEX(サーフレックス)S2343 Racing
Surflex Clutch Friction Discs modification kit for Ducati 1098, Hypermotard
・特徴
ハードなエンジンチューン等の為に「STDタイプではどうしてもクラッチが滑る」、「スパッとつながるクラッチ特性が希望」、「近い将来エンジンチューニングの予定をされている」等STDタイプではクラッチが負けてしまう恐れがある場合にご使用ください。
・クラッチプレート面圧を向上、圧着力を強化
・ジャダー防止の対策済み
・STDタイプより滑りにくいフリクション材を採用
・サーキット走行向き(公道走行可)
ちなみに同じくRacingタイプのS2418はフリクション材にシンタードメタルを採用しておりオーガニック素材を使ったのがS2343となります。
価格的にRacingはSTDより高価ですがS2418(シンタード)よりS2343がお手頃だったこと、イタリアのCarpimotoがなぜか特価だったのでS2343に決定しましたw
現在日本国内では42,350円もするので前回利用したイタリアのCarpimoto をみると167.99€(約25,000円)だったので即決しました。
2023年4月現在€177.00まで上がっています。
しかしだ!
前回の発注時はイタリアから大阪まで5日間で到着するという最速記録をマークしたのであるが今回は3月9日に発注したのになかなかINVOICEが届かないので3/20に問合せしたら「メーカーから取り寄せるので4週間かかるよ♪」とあっさりとした返事。
結局3月30日に発送されて4月 4日に到着という再遅記録をマークすることに(;´Д`)
2年前まではDHLが佐川に依頼し配達されたときに輸入関税/消費税を現金で支払う仕組みでしたが、今回は日本のDHL税関に商品が届いて輸入関税/消費税が確定した時点でメールがきて、オンライン決済できる仕組みに変更されていました。
費用
SURFLEX(サーフレックス)S2343 167.99€ + 送料20€ = 27,945円+ 輸入関税/消費税 2,300円 = 30,245円
ほぼ3万円ですが日本で買うより3割引き程度で購入できました。
クラッチバスケット
Barnett Ducati Dry Clutch Basket 321-25-01812
(2009 And Older 6-Speed Dry Clutch Models) (Gold)
Our patented Ducati clutch basket is CNC machined from tough 2024-T3 billet aluminum and utilizes stainless steel inserts to eliminate grooving of the basket where the clutch plate tabs make contact. The end result is an incredibly durable basket that ensures a long life and smooth, consistent clutch engagement. Available in red, black, or gold anodize.
・和訳
当社の特許取得済みドゥカティ クラッチ バスケットは、頑丈な 2024-T3 ビレット アルミニウムから CNC 機械加工されており、クラッチ プレート タブが接触するバスケットの溝をなくすためにステンレス鋼インサートを使用しています。最終結果は、長寿命とスムーズで一貫したクラッチ接続を保証する、信じられないほど耐久性のあるバスケットです。赤、黒、または金の陽極酸化で利用できます。
ちなみに表示画面はREDでしたが商品はGOLDです。
どのみちクラッチカバーで外からは見えなくなるのでカラーチョイスはどうでもよいのですよw
現在Amazon.co.jpでは51,731円なので、また奥の手を使いAmazon.com(US)で253.09$で発注することに。
(奥の手とはアメリカ在住の身内に発注してもらい日本に持ち込む手法を指すw)←チート?
納品は身内が帰国する4月13日に。(関税と送料が浮きましたw)
クラッチの材質について
後で知ったのですがフリクションプレートとクラッチは摩耗の観点から同じ材質の方が良いそうです。
例えばスチール製バスケットにアルミ製フリクションプレートではフリクションプレートの減りが早くなるのでしょう。
その辺を考慮せずにアルミ製フリクションプレート×アルミ製バスケットにSUSプレートカバーが付いているBarnett のクラッチを発注してしまったのですがどうなんでしょ?
SUSカバーでガードしているのでアルミ製フリクションプレートが先に摩耗することでバスケットが長持ちしてくれるのかな?と楽観的に考えています。
クラッチキットとバスケットの価格
クラッチキットとバスケットすべてを国内で揃えると最大で約94,000円のところ
海外からの取り寄せで63,652円となり30,348円の差額となります。
円安の影響で旨味が薄くなっていますが3万円は浮いたのでヨシとしますw
ちなみに純正で揃えても社外品の国内購入相当の価格ですし、さらにショップにお願いしたら当然工賃もかかります。
仕上がりまでの時間が短縮され信頼度は高いですが10万越えは不可避。
一方、DIYはトラブルシュートに時間はかかり、各種SSTや100Nmや300Nm対応のトルクレンチなどの工具類を揃えること自体にコストはかかりますが分解することにより構造が理解でき、問題が解消時の達成感もあり、さらにお財布にやさしい。
まぁすべて自己責任ではあるのですが・・・
整備初心者のAGがとうとうクラッチまで手を付けだしたのかと思うと怖い話です・・・。
ではパーツ到着待ちの間、真因追及のための暫定対策を講じます。