1098S FH020AA MOSFETレギュレーターへの交換(前編)

2021/10/16

当初は破損した純正レギュレーターSH579EAと同型を購入して入れ替え終了!という予定でしたが、どうせやるならアップグレードをと考え、MOSFETレギュレーターFH020AAを発注。

さてうまくいくのでしょうか・・・(;´Д`)

今回発注した部品たち

① FH020AA レギュレートレクチファイヤ
  1D7-81960-01(ヤマハ純正)
② FH020AA用カプラーセット(古河電気工業製)
③ カプラー3極 1123  端子(ロック式 (エーモン)
④ カプラー4極 1124  端子(ロック式 (エーモン)
⑤ 配線コード2sq 黄 1181  4905034011816(エーモン)
⑥ 配線コード2sq 赤 1178  4905034011786(エーモン)
⑦ 配線コード2sq 黒 1179  4905034011793(エーモン)
 ↑(エーモン2sqはがないのでで代用)

後に追加部品が出てきますw

総額17,000円ほどかかりました。←ポイント付与で も少し安価に

純正レギュレーター(SH579EA)での最安はDUCATISMで15980円ほど。
ディーラーでは部品単体で22,000円ほどかかります。
取付の手間はさておき、+1,000円で性能・耐久性アップならコスパが高いと判断できます。

数日後到着したのでいよいよ取付けなのですが、レギュレーターの形が異なることよりボルト取付けピッチが違うこと、本体形状がタテ型になっていることにより純正位置に取付けができるんでしょうか?
全て調べたわけではありませんが、改修はだいたい3タイプに分かれています。

1.純正レギュレーター(SH579EA)を純正位置に換装
2.純正レギュレーター(SH579EA)を車体右側に移設
3.MOSFETレギュレーター(FH020AA)を車体右側に移設

MOSFETレギュレーターの形状は異なりますがなんとか既存の位置で着くだろうということで、上記3タイプではなく

4.MOSFETレギュレーター(FH020AA)を純正装着位置にマウント

することにしました!
(イバラの道か人柱か?エンジョイ&エキサイティングです。)

部品たちの検証

先人の推奨通りポン付けと思しきカプラーたちが本当にポン付けなのかを先に検証します。
まずはポン付けではないレギュレーターから

① FH020AA レギュレートレクチファイヤ 1D7-81960-01(ヤマハ純正)

まったく形が異なります!
(左)SH579EAは横型に対して(右)FH020AAは縦型となり、
取付ピッチは、ざっくりとですが80mm→70mmに変更されています。要現物合わせですw

② FH020AA用カプラーセット

FH020AAにパチっと気持ちよく刺さります。
問題ナシ

差し間違い防止のため、電源側グレー ・交流側ブラックとカプラーも色を合わせて購入しましたが、フールプルーフ機構だったので杞憂に終わりました。
さすが国産メーカー!!

③ カプラー3極 1123  端子(ロック式 (エーモン)


試しに本体側の3極カプラーにハメてみたところ問題ナシです。

④ カプラー4極 1124  端子(ロック式 (エーモン)


試しに本体側の4極カプラーにハメてみたところ
問題発生death!

検証結果

④エーモンのカプラー形状はあっているのですがロック機構が逆なんです!

(上)エーモン製は返り付きのフックがついていますが
(下)純正カプラーのロックは四角の受け口なのです。

純正と同仕様のカプラーを探すのは労力がかかるので、オスメス共にエーモンカプラーに交換することにしました。

平端子は端子の底に長細い返りがついているのでカプラーに向けて小さなマイナスドライバーのようなものを突っ込んで返りを引っ込めたら平端子が外れるんです。
その要領で昔に作ったヘアピンを改造したピンを差し込んでカプラーを抜きました。

線の配置を間違ってはいけないので1本ずつ抜いたら新しいカプラーの同位置に差し込むことで、全部抜いた時に配置がわからなくなる事象が発生しません。

これでカプラー問題は解消です。

先人の知恵では3極・4極カプラー共に問題なくつくというお話でしたが結果4極カプラーはオスメス共に交換しないと装着できませんでした。
エーモンが仕様変更したのでしょうか? 真意の程は不明ですが、回避可能なプロブレムでよかったです。

ちなみにこの瞬間に有事の際に純正レギュレーター(SH579EA)がポン付け不可能となりました。
(爪を折れば刺さらないことはないんですけど)

事前検証が完了したので次は現物合わせですw

現物合わせと加工

部品の検証が終わって、いよいよ取付けにかかろうとしますが、まったく形状の異なるレギュレーターを同じ位置に取り付けることを選択したため、構造の理解も含めてバッテリーブラケットを外しにかかります。

バッテリーブラケットはボルト3本で外れるのですが予想以上に配線が絡み合ってすごく複雑なので80%ほど外して取り掛かります。

レギュレーターを外すとこんな感じ

純正レギュレーターは横置きでしたが、FH020AAは縦置きなので横向き(右カプラー)にマウントしてみますがバッテリーブラケットからはみ出したカプラーと配線がジェネレーターカバーに干渉しそうで危険度が高いです。

下向きにするとバッテリーブラケットからはみ出ます。

このことより左カプラーに向きを変えて配線のクリアランスを設けるため右側に10mm程度ヒートシンクがはみ出る形でマウントすると概ねいけそうです。

純正レギュレーターと取付ピッチが全く違うので、FH020AAを横向きにマウントして位置決めのため取付穴からドリルを突っ込んで下穴を空けることにしました。

その前に、バッテリーブラケットの裏側を確認するためにアルミの遮熱版を取り除きます。

せっかくなんでエキパイ側に余りモノの耐熱シートをダメ元で貼り付けてみました。

装着後裏から見るとこんな感じです。

バッテリーブラケットの裏側を見てみると、穴を空けようと予定している個所にセルスターターの配線が通っていたので一時避難させます。

レギュレーターをあてがってドリルで穴をあけます。

施工後はこの2点にボルトが入ります。FH020AAをバッテリーブラケット裏から取り付ける
AG方式の場合は、M6×30mm 2本が必要です。

表から見るとこんな感じ

仮組み純正横置きレギュレーターの設置位置がくぼんでいたのでそこに合わせる形で位置決めしています。だいたいですがいい感じにマウントできそうです。

取付に関して

純正レギュレーターの取付けはバッテリーブラケットにヘリサート?が埋め込まれている個所にキャップボルト(M6×22mm)で共締めするだけです。

ヘリサート部がブラケットより5mmほど浮かしているのでレギュレーターが表裏で放熱できる構造なのでしょう。
FH020AAも同仕様にする必要があります。

ブラケット裏からキャップボルト → ワッシャ → バッテリーブラケット → 台座付ナット → FH020AA → ワッシャ→ナット

という組み合わせとなります。
台座付ナットで6mm浮かして付ける感じです。

純正キャップボルトはM6×22mm(首下寸法)ですが、FH020AAをブラケット裏から取り付けるAG方式の場合は、M6×30mm 2本が必要です。

手前側に余裕があるためM6×35mmを採用したいところですが標準のSUSキャップボルトは規格上30mmを超えると半ネジとなるためM6×30mmに留めています。
本来はSワッシャとか何枚か追加したいところでしたが寸法的にけっこうカツカツなので最小限にとどめています。

ここで追加の部品が必要となりました。

⑧ SUSキャップボルトM6×30mm 2本
⑨ SUS M6ワッシャ 4枚
⑩ M6台座付ナット 2個
⑪ SUS M6ナット 2個

バッテリーブラケットへの穴空けですが、M6キャップボルトのネジ部O.D(アウトダイヤ)は5.86mm程度ですので、その辺に転がっていた5.9mmのドリルで小さめの穴を空けます。

穴空けの位置は写真のようにレギュレーター本体の右側のヒートシンクがバッテリーブラケットから10mmほどはみ出る形でマウントさせて取付穴からドリルで位置決め程度にマーキングして上下2か所に穴を空けました。ABS樹脂?なのですんなりあきます。

そして裏からM6×30のキャップボルトをワッシャを挟んで差し込み、台座付ナットでボルトを固定してレギュレーターの設置準備は完了です。

そこからバッテリーブラケットに配線を固定しながら遮熱版を取り付けて正規の位置に取り付けレギュレーターを仮組みしてから配線長さを粗測定して事前準備は完了です。

配線

配線レイアウトはこんな感じ
↑先人の写真を使わせていただきました。
ありがとうございます。

配線にギボシ(平端子)をかしめて半田付けしてからカプラーに納めます。

レギュレーターの灰色カプラー

3線共黄色線で平端子をかしめて取り付けます。
(交流なので順不同)

長さは仮組み時に測定して本体向きにカプラー3極 1123を取り付けます。

レギュレーターの黒色カプラー

左の端子は+線 赤線を2本あわせでかしめます。キッチリはんだ付け

右の端子はー線 黒線を2本あわせでかしめます。
(2本あわせは本体側が4極なので分岐が必要です)

長さは仮組み時に測定して本体向きにカプラー4極 1124を取り付けます。
※本体にさすカプラーの配線位置とバイク側に取り付けるカプラーの配線位置は要注意

両者ともに安全をみて配線を長めにとりました。カプラーの取付けが完了したら配線保護のためスパイラルチューブを巻き付けます。

レギュレーターの設置用ボルトとレギュレーターからの配線が完了したのでいよいよ取付けです。

取付け

FH020AAレギュレーターをバッテリーブラケットに取り付けたキャップボルトに差し込んでからM6ワッシャとナットで止めます。

カプラーを取り付け、ECUをレギュレーターの前に取り付けます。

③ 各所カプラー類を結線して完了です。

前段階でスムーズに取り付けられるようにしていたのでいたって簡単でした♪

最後にカプラー類の接続に問題がないかをチェックしていたら、レギュレーターとECUとの隙間が極端に少ないことに気が付いてしまいまいました(;´Д`)測定しようがないのですが、指が全く入らない状況で多く見積もっても2mmもありません(;´Д`)

原因調査と対策

というわけで従来の組み合わせと現状の問題点、そして打開策をCAD化してみました。

特に図示する必要はないのですがキッチリと調査します。

なんだか仕事っぽくなっていました。

1.純正(SH579EA)レイアウト

純正レイアウトを見てみるとレギュレーターとECUカプラーとのクリアランスが約6mmある計算となります。

2.社外品(FH020AA)レイアウト1

現在この状態ですが、SH579EAの厚みが28mmでFH020AAの厚みが32mmと4mmほど厚くなっています。

当初からFH020AAを同じ場所に設置することだけしか考えていなかったため、奥行きに関してECUとのクリアランスまで考えが及びませんでした(;´Д`A ```

図示するとクリアランスが2mm以下となるので放熱性が悪いという前に振動などで接触しトラブルが起こる可能性が高いのでこれはマズイです。

3.社外品(FH020AA)レイアウト2

対策はいたってシンプル、厚みを増したレギュレーター分だけECUの取付けを外側にずらせばいいだけです。

ECUの取付ボルトは、従来35mmなので、バッテリーブラケットとの間に座金付きナットを挟んで、ボルトを6mm増しの40mmボルトに換装すれば解決します。

図の通りにすればクリアランスは7mmにアップします。

追加購入した部品たち

⑫ M6ステンくさびロックナット 2個

⑬ SUSキャップボルトM6×40mm 2本

M6ナットであれば厚みが4mmで薄く、ワッシャを追加すると取付けが面倒になるので一体型の座金付きナットを探していたのですが、お店になかったので“M6ステンくさびロックナット”を買っただけです。

このくさびロックナットはネジ山が特殊な形状で緩みにくい構造になっているのですが、ECUを挟んでナットをつけるとバッテリーブラケットへの固定ができないので、肝であるくさび形状ねじ山を6.1mmのドリルで落としてしまい分厚いワッシャーにしてしまいます。厚み5mmと想定していましたが5.87mmもありました・・・
スペーサーが欲しかっただけなんですよねw

再度取付け

社外品(FH020AA)レイアウトからECUを取り外しナットをECUに貼り付けてボルトをM6×40に交換して締め付けて完了です。


横からレギュレーターとECUの隙間を撮影しましたが純正以上のクリアランスが確保できているようです。これでカウルをつけて完了かと思いきや、想定外の問題にブチ当たります(;´Д`)

次号へ続く・・・

-DUCATI 1098S, GEAR, repair & maintenance