1098S チェーンの張り調整

2021/12/03

チェーンの交換が無事完了したところで、チェーンの張り調整に作業を移行します。

今回ネットで1098系のチェーン調整に関してブログや動画でも情報が公開されていませんでした。
ムルチやモンスターのチェーン調整方法が散見されましたが1098とは規定値や測定方法に違いがあるので、いったい1098系はどないしたら測定できるんや?という観点から見聞きした情報をまとめてみました。

必要工具

・10mmHEX
・フックレンチ
・スケール
・トルクレンチ(100Nmまで測定可能なもの)

チェーンの張り具合いの測定方法

スイングアームにチェーンの張り調整の基準が書いてあります。

・ラベルの和訳を読みあげると

サイドスタンド上のチェーン張力、下部チェーンの半分の位置にゲージを配置し、スイングアームとチェーンピンの中心部の距離が33~35mmになるまでチェーンを下に押して調整します。

???なんか意味が分かり辛い(;´Д`A ```

とりあえずやってみます・・・

手順

チェーンの上側をピンと張る位置で停止させてサイドスタンドをかけます。
上側チェーンの張り方は1速か2速にギアを入れてクラッチを切らずに車両を後退させて止まる上側チェーン張り気味となります。

②スイングアームの中点から差し金(スケール)を垂直に降ろしてスイングアームからチェーンピンの中心までの距離を計測します。
スイングアームの中点はスイングアーム下部のチェーンスライダーの取付け部の凸形状右側がおおよその中点となります。

誤解釈

当初AGはラベルに記載の「チェーンを下に押して調整」誤解釈してしまい、チェーンを指で下方向に押し下げた状態でホールドしながら計測したので交換前のチェーン測定結果が40mmを超えてチェーンがダルダルだと勘違いしていました。後日、SNS上及びバイクショップにて測定方法を確認できたので適切なやり方で再調整をおこないました。

正しくは

 ①チェーンを指で押しげてから手を放して自然に戻ってきたチェーンピンの位置(SNS情報+スイングアームラベル?)
又は
 ②チェーンを指で押しげてから手を放して自然に戻ってきたチェーンピンの位置(バイクショップ情報)

からスイングアームまでの距離が33~35mmの間に入っていれば適正であるということになります。

検証結果どちらのやり方でもそれほど差異はありませんでした。

 

チェーンの張り具合の調整

チェーン張り具合の測定値が基準に満たなかった場合に以下の方法で調整をおこないます。
※メンテナンススタンドでリアを上げた状態の方がやりやすいと思います。

①車体の後ろから見てホイールの付け根あたりのクランプボルト2本を10mmHEXで緩めます。↑手で回るくらいまで緩めます。

②スプロケット内側のギア?をフックレンチで回してチェーンの張り具合を調整します。


車体左側面から見て
・時計回り=とチェーンが緩みます。

・反時計回り=チェーンが張ります。

フックレンチは純正でもよいですが、AGは手持ちのホンダNSR250R・RVF400Rのプロアーム用のデイトナ フックレンチを使用しました。

後で調べるとDUCATIがφ100ホンダ(デイトナ)がφ120用と記述がありサイズがあっていないかもしれませんがデイトナで回せたので結果オーライかと思います。
さらに柄の部分が長くホイールリムにかかるのでキズ防止のために柄をカットするか、巻物をするなど保護策を講じることを推奨します。
AGは接触しそうな柄の端部を手で覆って回しました。

なのであえてオススメはしませんw

③規定値33~35mmになるまで調整を繰り返します。

AGは34mmに設定しました。※測定時はサイドスタンドをかけた状態で測定します。

④クランプボルトを規定トルクで締め付けます。

クランプボルトの締め付けトルクは33N・mです。
(ボルトにはモリブデングリスを塗布)
※2本のクランプボルトは交互に締め付けを行うこと。←重要です。

⑤クランプボルト締め付け後にチェーンを再測定してズレがないかを確認します。

ほかの個所でよくある“固定したら設定値がずれる”ことはありませんでした。

以上でチェーン張り調整は完了です。

① チェーン調整 = メンテナンススタンド

チェーン張り測定 = サイドスタンド

①はお好みですが、サイドスタンドを推奨します。

サイドスタンドとメンテナンススタンドでは理論上ですが測定値に差異がでます。
サイドスタンドの方が自重が分散されスイングアームが下がるイメージ

とはいえ、実際は「1098は足が動かない」らしく差異はあまりないようです。

これでようやくチェーン交換からの張り調整が完了しました。

ピットから外に出す時のバイクの押し歩きが明らかに軽くなりました・・・それだけかもw

 

後日

チェーン交換・調整後150km走行してチェックしましたが、初期伸びは34mm → 36.5mm と微妙な値。
なので35mmに再設定しています。
張り過ぎが怖いので上限設定です。

面倒な作業ですがAGでも簡単にできました。

 

おっと忘れてました!

走行距離は11,045kmでした。

-DUCATI 1098S, repair & maintenance