CRF250L(MD47) 足回りの初期メンテナンスとリアABS故障

2022/08/12

1,000km点検&オイル交換が終わって1,500kmほど走行したところで、AT氏のピットで足回りのメンテナンスを行ってもらうことにしました。

MD38の時もそうでしたが、タイホンダ生産モデルは足回りのメンテナンスは必須であると認識しています。
2年ほどで乗り捨てるならいいですが長く乗るなら尚更の事、やって損することはありません。
ただ作業は慎重に行わないとAGのように後悔することになります・・・・orz

 

メンテナンスメニュー

タイホンダで生産されている機種は
・前後アクスルシャフト
・前後ホイールベアリング
・リアサスリンクのシャフト(三角形のヤツ)
・リアブレーキペダル
・スイングアームシャフト
・トップブリッジのステムベアリング
などの可動部にグリスがあまり塗布されていない傾向があるのでバラしてグリスアップし本来の性能を引き出すとともに耐久性アップを図ります。

余談ですが

バブル期生産の国産XRシリーズなどはキッチリとグリスアップされており耐久性も高かったようです。
タイホンダ生産品はコストダウンかはわかりませんが、その傾向があるとAT氏は警鐘を鳴らしています ←実際鳴らしてはいませんw
MD47も多分に漏れず同じ傾向だと思うのでバラして検証していきます。

ちなみにグリスの塗布が少ないと可動部位が上手く作動せず本来のパフォーマンス発揮できていない他、雨水などが侵入しやすくベアリングが腐食するなど悪影響を及ぼします。
雨天および未舗装路を走らない、またはすぐに売る方はその心配はありませんw

 

だいたい作業は丸投げw

CRF250Lなどのオフ車についてAGは知見がないので、AT氏が1人でほいほいとバラシていかれるので写真撮影等サポートに徹します。

リアブレーキペダル

リアブレーキペダルの分解が始まりました。
マスターへのリンクの脱落防止には前回同様割ピンでしたのでメンテナンス性向上のためβピンに換装します。

サクッと分解完了しました。ブレーキペダルのメインのシャフトは申し訳程度に薄っすらグリスが塗布されていました。最後にMAXIMAの青いグリースをたっぷりと塗ってから組付けです。

リアサスリンク

グリスがカラカラです。塗布しているのかどうか識別しにくいレベルでした。
最後にMAXIMAの青いグリースをたっぷりと塗ってから

組付けです。

スイングアームシャフト

非常に薄く透明に近いグリスの被膜が形成されていました。

最後にMAXIMAの青いグリースをたっぷりと塗ってから組付けです。

MD38同様に右側にボルト頭をもっていくこと(逆付け)でサイドスタンドで立てた斜め状態のところに雨水の侵入を防止するつもりでしたが、MD47は左側にはボルト側しか入らないようフレーム穴が小さく工具が入らないようになっているいわゆるフールプルーフ機構となっているため正規の組付けにしています。

リアホイール

アクスルシャフトを抜くと非常に薄い透明に近いグリスの被膜でした。最後にMAXIMAの青いグリースをたっぷりと塗ってから組付けです。

つづいてホイールベアリングを確認していきます。

ディスク面(右側)





意外や意外NTN 6303LU(国産?)を使用していました。両シールタイプのボールベアリングで今回交換しようとしていたベアリングと同じでした。
なので交換は次回に持ち越して雨水侵入防止のためにシールをめくってMAXIMAの青いグリースをねっとりとつけて封入


て封入しパルサーリングとディスクを共締めし
裏面に・・・

スプロケット面(左側)

こちらも同じ処理をしようとした時、ふと異変に気付きます。
上から斜めに見るとディスク面に装着しているベアリングの球が見えるんです・・・?

6303LUって両シールやんな?
なんでボールが見えてんの?

両シールじゃなきゃ直ちに問題が発生するとは言いませんが同じ型番の市販品が両シール仕様なのになんで純正装着のベアリングは片シール仕様なの?
コストダウンしようとしたけど型番を変えたくないから同じ型番で片シールのベアリングをNTNに特注で作らせたのか?

と詮索しても仕方ないのでギアプーラーで取り外してしまいます。

やっぱ左右のベアリング共に外側にのみシールがある片シール仕様でした(;´Д`)
裏はシールなし(;´Д`)

何度見ても型番は同じです。
でも交換するベアリングの箱の型番表記は6303LLU

詐欺やんけコレ!ヾ(*`Д´)ノ

訴えるつもりはありませんが純正装着パーツの型番も信用しちゃいけないってことでしょう。
大変勉強になりました。

気を取り直してベアリングの打ち換えです(;´Д`A ```

先ずはシールを外して注入している透明のグリスを除去して洗浄したのちMAXIMAグリスを封入します。

そして叩き入れ。

これを両面おこなってホイールベアリングの交換は終了しました(;゚Д゚)

 

リアキャリパーの分解清掃

これもキャリパーピストン及びシールに十分な潤滑処理が施されていない可能性を考慮して分解清掃します。

今回シールは脱着グリスアップのみで交換はおこないません。

ちなみにMD47からリアのブレーキマスタータンクは排除したようでマスターと一体型になっています。

キャリパーピストンを外そうしたらやたらと細長いピストンが出てきました。

前期同様型押し1ポットなのですがピストン径が細い気がします。
測るとφ27しかありません。MD38は確かφ30かφ34あったと記憶していますが・・・

パッドは共通ですがキャリパー自体が仕様変更しているように見えます。
ABSセンサー設置の影響で小さくなったという感じではなくコストダウンなのかなと・・・
そういえばリアブレーキの効きが甘くなったような気がしなくもないなと。

シールとピストンにラバーグリスを塗布して組付けてからパッド裏面にパッドグリスを塗布して組付けていきます。

 

リアホイールの組付け

ちょっと厄介です。

キャリパーベース?に埋め込まれたABSセンサーにキズが入らないよう気を付けながらセンサーのコードを引っ張らないように注意しながらカラーを装着、チェーンをかけてアクスルシャフトを通します。これは2人作業のほうが捗ります。

なぜか取付けに手間取ったのですがこの作業中にヤラかしたようです。

後に重大インシデントが発覚します。

リアキャリパーの清掃+エア抜き

メンテナンスでフルードを出し切ったので最初から入れ直しです。 これも少々厄介でした。

通常:ブレーキマスター → キャリパー

ABS:ブレーキマスター → ABSユニット → キャリパー

とラインが伸びているのでフルード量が多くエア抜きに少々手間取ります。
しかもマスタータンク一体型の筒の口径が小さい為、フルードが注ぎにくいうえUPPERとLOWERの基準線が識別し辛く許容範囲が狭くて油面調整が難しい印象を受けました。

ちなみにAT氏は最初にシリンジでキャリパーのブリーダーボルトからエアーを吸い出していました。

つい先日1098Sのエア抜きでシリンジを使うことを発見するまで何百回もポンピングしていたことが恥ずかしくなりました(;´Д`A ```

コレ常識なんですねw
これでリア回りのメンテナンスは完了です。

フロントホイール

アクスルホルダーボルトを緩めてからアクスルシャフトを緩めようとしましたが、14mmのHEXに仕様が変更されていました(;´Д`)

工具がないので買いに走りますΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)

戻ってアクスルシャフトを緩めると期待通りグリスは薄付き状態(;´Д`)
最後にMAXIMAの青いグリースをたっぷりと塗ってから組付けです。

純正装着のホイールベアリングの型番は6003RSRで調べるとおそらくFAG BEARINGというところの片シール仕様。

NTNの両シールベアリング 6003LUに打ち換えてグリスを塗布して組付け完了。

でも箱の型番表記は6003LLU

フロントキャリパーの清掃+エア抜き

リアキャリパー同様にシールとピストンを清掃しグリスアップして組付けです。

エア抜きですがタイホンのフルードってなんか茶色いんです。

ウイスキーの水割りみたいな色ABS付きなのでいつも以上にフルードをたくさん使って入念にエア抜きを施して終了です。

ステムベアリングはタイムオーバーにつき次回に持ち越しです。

試走

跨った瞬間に違いが解り、足回り前後のリンクが上手く作用していてさらによく動く足になった印象です。
ブレーキもダイレクト感が増してレバーの握り代もいい感じになりレスポンスが向上しました。
という感じでいいとこづくめでした。

試走完了ですべての工程が終了したのでそろそろと帰ります。
しかしATピットを出て少ししてから異変に気付くのです(;´Д`)

リアABSガガガガ・・・(-_-;)

直線道路を走行中にリアブレーキのタッチを診るべく軽くあててみたらガガガガとABSが作動しました。

ぜんぜんロックさせてませんけど!?

これはヤバい気がしてさらにかけたらガガガ ガガガとABSが誤作動しまくります。
とりあえずAT邸に引き返す道中、停止後リアABS解除ボタンを押して走行、再度リアブレーキをハード目にあてるとABSランプ(コーションランプ)が点滅してしまいました!

重大インシデントの発生です。

↑最近立て続けです(;´Д`)

これなんかヤッたなと気付いたのでAT邸に戻ってバイク屋さんに電話。
事情を説明したところ変化点はリアホイールの脱着で、診断機のログをみないとなんとも言えないとのことでリアABSを解除して帰阪しました。

数日後バイク屋さんにてOBD2を診断機に接続して
エラーログを確認すると“パルサーリングエラー”の表示。

リセットして様子を見ましたが再発、おそらくセンサーを壊してますね(;´Д`)

アナログ機ならなんともなりませんが電制機種はデリケートなんですね。
ABS要らないんですけど、ずっと強制解除したままにできないのかなぁと。

1098Sが直った次は新車のCRF250Lが故障(;´Д`A ```

帰阪して半ばヤケクソ気味に一生懸麺

1593km

前途多難です。。。

 

-Accident & Malfunction, HONDA CRF250L, repair & maintenance