1098S 各種マフラーとECUの調査及び車検対応
2021/09/16
改めて1098SへのECU&マフラーの取付けに関して以下の3仕様について調査し集めた情報を記述します。
2007年発売から13年経過しているので需要があるかは解りませんが、ネットにある情報とは若干異なる点もありました。
(AGが間違っていたらごめんなさい)
各仕様によるメーター表示の変化と特徴
①ノーマルマフラー × 純正ECU
構成 : 純正マフラー × 純正装着ECU
表示 : キーONで、液晶メーターに「SBK 1098 TSE」のメッセージが流れます。 右側水温表示枠に「JAP」と表示
特徴 : 回転数リミッターが設定されています(約9000rpm/min縛り)
排ガス規制に対応した空燃比につきガスが薄め。
キャタライザー内臓純正サイレンサーは音が静かで排気温度が高温
排気デバイスにより低回転域がギクシャクする?
②テルミニョーニスリップオンサイレンサー × 専用ECU(96518607B)
構成 : DUCATI Performance(以後DP) TERMIGNONIスリップオンサイレンサー × スリップオン用ECU
表示 : キーONで、液晶メーターに「SBK 1098 RACING」のメッセージが流れます。 右側水温表示枠に「EU」と表示
特徴 : 回転数リミッター解除
ガスが濃いめ(独自にA/F比を設定してセットアップ)
排気デバイスはキーON時に作動するが全開固定
O2センサーが不要(A/F比のフィードバックシステムが存在しない)
馬力はスペック上でS/Oサイレンサー + S/O専用ECUは157ps
アクラポヴィッチなどの社外品の組合せも可能で接続パイプ径は純正φ60用となります。
※実測値は外径φ56です。DPテルミニョーニスリップオンサイレンサーキットにはECUとエアーフィルターがセットされていることから、社外サイレンサーに交換した場合でもDP製もしくは社外品のハイフローなエアーフィルターが必須でしょう。
スリップオン用ECUは、排気デバイスは全開でホールドされるため社外品のサーボキャンセラーは不要となります。
※社外品サーボキャンセラーはノーマルECU時の対応です。
O2センサーも不要となるのでそのまま放置してもよいですが、空気抵抗にしかならないO2センサーは除去を推奨。
※DPでフロントバンク側のO2センサー穴の①メクラ栓と②銅ワッシャーが入手できます。
③テルミニョーニフルエキゾースト × 専用ECU
構成 : DP テルミニョーニフルエキゾーストマフラー × フルエキゾースト用ECU
表示 : キーONで、液晶メーターに「SBK 1098 RACING EVO」のメッセージが流れます。
特徴 : 未検証ですがおそらく②と同じような状況になると推測します。
パイプ径は未測定ですが太径(φ10mmUPでφ70?)となり、フルエキ専用ECU ・エアーフィルター ・専用カーボンヒートガードがセット。
馬力は②S/Oは157psですが、フルエキはそれのまだ上をいくようです。
・排気デバイス
排気デバイス(排気バルブ)は②③同様に全開でホールドされるため社外品のサーボキャンセラーは不要。
※純正ECUでは4000回転まで片方のパイプ内のバルブが閉まる(全閉ではない)事により排気音を小さくして車検に通るようにしています。
このことより車検の騒音対策の機構であるといえます。
騒音と言えば乾式クラッチの音も純正カバー装着状態でも音が大きいので車検時には注意が必要です。
1098RやデスモセディチRRみたいに騒音的に要注意な車両でない限り排気音を測定されることはないと思いますが、万一測定となった場合はクラッチ(車体右側)の斜め後ろに立って人で遮音するというのも常套手段だそうです。
O2センサーはマフラー(パイプ)に取り付ける穴が無いので、センサーそのものを外す必要があります。
性能だけでみれば③フルエキセット一択なのですが少々難アリなんです。
その理由は車検対応です。
ECU交換は両者とも容易ですが②S/Oはサイレンサーだけの交換で済むのに対し③フルエキは全交換なので脱着が容易ではありません。
自身で脱着すればよいのですがショップに任せると工賃がより多く発生します。
PANIGALEオプションのアクラポヴィッチやテルミニョーニマフラーよりはマシですけど。
③フルエキ × ECUに関しては個体数が少ないですがヤフオクなどでもその辺の事情で敬遠され落札されていないケースが多いように感じます。
AGは上記理由と848EVOに装着していたS/Oサイレンサーが流用できたので②にしてECUとDPエアーフィルター交換のみで済ませました。
本当のフルパワーは興味アリですが・・・
テルミニョーニS/Oサイレンサーの形状とフィッティング
1098系テルミニョーニサイレンサー形状は2010年に大きな形状変更が行われており前期後期仕様が存在します。
前期型 : テールエンドより長めの楕円ストレート形状のサイレンサー
後期型 : サイレンサーエンドが斜めにカットされた形状のショートタイプ
(2011年式の848EVOには後期型が装着されていました。)
※テールエンドキャップが黒なのはオリジナル塗装、通常は前期型と同じくステンレス素地状態です。
形状の違いによるパワーの違いは確認していませんがおそらく同じでしょう。
ただ音が若干異なるようで前期型の方が音がマイルドなようです。
爆音には違いないようですが後期型は音が割れているような印象だそうです。
音の差異はサイレンサー長の違いでしょうかね?
※バッフル装着状態でサーキット走行をしたらカーボンサイレンサーが爆裂した事例もあるようなのでクローズドや全開走行をされる場合は取り外した方が機器に対してはいいかもしれません。
なので公道走行はバッフル装着、サーキット走行はバッフルを外すのが望ましいと考えます。
車検対応(②テルミニョーニスリップオンサイレンサー×専用ECU)
車検時にはO2センサーが接続されていることが条件ですが、①に戻してモニターにエラーが出ていなければ、そのままで通る可能性があります。
エラーが出た場合はO2センサーのカプラーだけを接続して、プローブ(測定子)を見えないところに括り付けておけば大丈夫かと思います。
この点につきましては車検前に検証したいと思います。
余談ですが848EVOにて通した車検時はエンジン下部のオイルパン左側にエンジン型式が刻印されているのを検査員に見えるようにサイド・アンダーカウルを外していました。
1098Sにて車検を受ける場合、上記のようにO2センサーをカプラー装着してプローブをどこかに仮止めしていた場合、すぐに偽装?が判明してしまいます。
この点に関して実績ある方から聞くところによると車検対応の為にサイド・アンダーカウルを外す必要はないようです。
ステップ左側から斜め下を覗き込むと見えなくはないからですw
見えなくはないので検査員がエンジン型式が知りたいならそこから見てもらえばいいというもの。
車検時にいちいちカウル外すのは面倒だと思いつつも先駆者に習ってそうしていましたが、どうやらそのまま受検できそうです。
独り言ですが、一昔前(特にキャブ時代)はマフラーを交換しただけでパワーアップできていましたが、今というかDUCATIはECUの交換が必須のようです。
ネットを検索すると純正ECUの燃調セッティングを自身で上書きしてしまう猛者もいるくらいですから奥が深いですね。
AGはそんなスキルがないのでお手軽スリップオン+ECUで小さくまとまっていますw