1098S チェーン交換
2021/11/30
およそ7,200kmで譲り受けた本機ですが、保管環境の影響によりチェーンの錆がすごいのでずっと気になっていました。
チェーンが伸びたり、リンク可動不良で使えないというわけではありませんが見た目がアレなんで交換してみることにしました。
チェーンの選定
私の周りにはDID信者が多いのでDID一択でした。
チェーンサイズ:1098は525サイズの98L(リンク)です。
520へのコンバートも検討しましたが、rollout直前にフロントスプロケットを525の14T化したので前後交換となるとコストアップとなるのでここは手堅く525スプロケットのままチェーン交換します。
大同工業株式会社 DID 525ZVM-X-98L ZJ(カシメ) GOLD (4525516331142)
14,158円(600cc~1300cc用)
高ポイントセール時の発注ですが、525チェーンともなると結構なお値段です。
工具類
・J-TRIPリアスタンド
チェーン交換しやすいので、あると便利
・インシュロック(タイラップ)1本
切った新旧チェーンのつなぎ合わせに必要
・5mmHEX
フロントスプロケットカバーを外すのに必要
・27mmのメガネレンチ・19mmのメガネorソケット
かし丸君を使う場合のみ必要
・チェーンオイル
スズキ機工 LSベルハンマーゴールドスプレー420mlを推奨
・ノギス
チェーンピンのかしめ径測定をするのであれば必要
可能ならば mitutoyo製のCD-15AX(デジタル)推奨
・チェーンのカット&かしめツール かし丸君 50系セット (KM500R)
商品番号:4525516902045
(適用サイズは、520・525・50(530)・532)
価格は1~1.7万円の間で他のチェーンかしめ工具より高価です。
特徴はコンパクトで扱いやすく精度が高いです。
ちなみにAGはAT氏からかし丸君(KM500)をレンタルしましたが交換頻度が高い方は買っても損はないと思います。
チェーンリンク数の確認
1098の純正チェーンサイズは525の98Lとわかってはいましたが、チェーンを購入後に本当に98リンクあるのかが気になって確認を行いました。
本来はチェーン発注前にやるべきなのですが(´Д`;)
リンク数の数え方は 1プレートを1リンクとして片側内外共にカウントします。
ややこしい場合はチェーンピンの数を数えるとわかりやすいです。
98リンクありました!
ちなみにリンク数は必ず偶数です。
なぜ数えたのか?
・ネット情報が正しいのかを判定するため
98Lなのに104Lと書いているところもあったりしたので念のためです。
・大きめのタイヤを履くためにリンクを増やしていないかを確認するため
例えば55→60偏平のタイヤ(横幅は同じ)に変更した場合はタイヤの直径が大きくなるため車種によってはスイングアーム進行方向側(行き止まり?)にタイヤが干渉する場合があります。
それを回避するためチェーンのリンク数を増やすことでホイール位置を後ろに下げている場合もあるので念のため確認しました。
ノーマルなら問題ないですが・・・
だから事前に確認しとけよ!
という話になりますw
※後でリンクを追加する=継ぎ手を複数連結するのはメーカー推奨外ですので。
チェーン交換開始
交換の事前準備としてDIDのyoutubeチャンネルのかし丸君を使ったチェーン交換方法が公開されているのでイメトレをしておきました。
とても分かりやすく説明しているので視聴をお勧めします。
①交換前準備
車体をスタンドアップさせてから5mmHEXでフロントスプロケットカバーを外す。
ついでに掃除を
②チェーンカット
・車体のチェーン継ぎ手部分を作業しやすい位置、スイングアームの下部センターあたりまで回転させる。
・かし丸君U字ホルダーの3か所の 凹・穴・凹 の中央 “穴” をチェーン継ぎ手の右側のピン(回転進行方向側)に合わせてから、
カッターピンを本体にセットしてU字ホルダーにスライドさせてはめ込みます。
この時本体の位置合わせピンはAに合わせます。(A位置は前後パーツの左側が面一になります。)
かし丸君の共通ボルトの19mm部分を手で回して外したいチェーンピンにあたるまで締めこんで位置決めをします。
・ギアを1速 or 2速に入れてチェーンが動かないようにしてから27mmのメガネレンチをかし丸君本体に差し込んでホールドしてから19mmソケットで共通ボルトを締めこんでチェーンピンを抜いていきます。
この時27mmのメガネレンチには右回転の力が加わるので本体へのセット時に地面斜めに接触する位置にしてから左足で右回転するレンチを押さえておくと、両手が空くのソケットがまわしやすくなります。
しばらくまわすとU字ホルダーの穴からピンが落ちてカット完了となります。
※かし丸君を使うと事前にディスクグラインダー等でチェーンピンのカシメ部分を削り取る必要はありません!
③新しいチェーンとの入替え
・ギアをニュートラルにしてフリーにします。
・カットしたチェーンの右側に新しいチェーン端部のリンク部同士インシュロックで仮止めして1本のチェーンにします。※直進方向に対して愚位置にチェーンをつなぐとスプロケットに噛まないのでまっすぐ連結することが重要です。
・古いチェーンの左側をズルズルと引っ張り、新しいチェーンを全周にいきわればインシュロックをカットします。
AGは愚位置に連結してしまいフロントスプロケット付近で詰まってしまったのでインシュロックをカットして最後は手で回しましたw
④チェーンの連結
・フロントスプロケット側から引っ張り出した新しいチェーンをリアスプロケットの2時のところまで引張りギアにはめ込みます。・反対側のチェーンもリアスプロケットの2時のところにはめ込み隣り合わせにします。
・付属の継ぎ手リンクを取り出して、ピンの根元からたっぷりとグリスを塗布してゴムブッシュを2個グリスを塗ってからリンクに刺してからチェーンの後ろから挿入します。
・グリスを塗ったゴムブッシュを挿入してからグリスを塗ったプレートを取り付けます。(手で押しこむ程度では引っかかる程度でプレートが浮いています。)
・連結した部分のプレートを手で押さえながらタイヤを右回転(後ろ回転)してかし丸君が使いやすい位置(カットした時と同じ)に動かします。
・かし丸君本体のカットピンを外して
プレートホルダー(下駄のようなプレート)を装着します。
・かし丸君U字ホルダー左右の凹と凹部分をチェーンピンにはめ込んでから、本体をU字ホルダーにスライドさせます。
この時本体の位置合わせピンはAに合わせます。
・共通ボルトの19mmを手で回して押し込みたいリンクプレートにプレートホルダーがあたるまで締めこみます。
・ギアを1速 or 2速に入れてチェーンが動かないようにしてから27mmのメガネレンチをかし丸君本体に差し込んでホールドしてから共通ボルトを19mmソケットで締めこんでいきトルクが急に上がる部分(固くなるところ)で締めこみを止めます。
・かし丸君を外してプレートの収まり具合を確認するため左右のプレートと平行になっているかどうかを差しがね又はプレートホルダーをあてがい段差がないかを確認します。
撮影用に1リンクホルダーを右にずらしています。
段差がなく平行になっていればプレート圧入は完了です。
⑤チェーンのかしめ作業
・かし丸君本体のプレートホルダーを取り外しカシメピンを装着します。
・かし丸君U字ホルダー左右の凹と凹部分をチェーンピンにはめ込んでから、本体をU字ホルダーにスライドさせます。
この時本体の位置合わせピンはBに合わせます。
・共通ボルトの19mmを手で回してカシメピンがチェーンピンにあたるまで締めこみます。
・27mmのメガネレンチをかし丸君本体に差し込んでホールドしてから共通ボルトを19mmソケットで締めこんでいきます。
・締め込みの目安は締め込みトルクの上昇もしくはカシメピンがプレートに密着するところまでですが、途中何回かかし丸君を外しカシメピンを取り外してチェーンピンにあてがい、↓
隙間やがたつきがなく密着しているかを確認します。
あわせてリンクが正常に作動するか手触で確認することもお勧めします。
その他、ノギスにてカシメ径を計測することもでも確認できます。
DIDのHPを確認したところ
525ZVM-Xのカシメ径は5.7mm以上です。
AG測定では左:5.77mm
右:5.70mmでした。
カシメ形状は側面から見てフレア型に広がりチェーンプレート側(根元)がくびれることからノギス先端のVブレードで挟んで計測すると誤計測となるため、必ずノギス測定部はフラット面で計測することを推奨します。
・片方のカシメが完了したらもう片方も同じ手順でカシメて完了です。
⑥チェーンオイルの塗布
カシメが完了して動作が問題なければチェーンオイルを塗布します。
最初から防錆剤などたっぷりと塗りこまれているように見えますがAGはさらにチェーンオイルを塗りこみます。
やるやらないはお好みでしょうか?
これでチェーン交換は完了です!
ゴールドチェーンは映えますね~♪
字面にするとかなり長い説明になりましたがDID公式youtubeのチェーン交換は18分ほどで終わります。
AGはドンくさいので構造の理解や計測など何回も確認しながら慎重に作業したので2時間近くはかかったかもしれません。
チェーン交換は事前のイメトレと適切な工具(かし丸君)があれば誰でもできると思います。
さて次はチェーンの張り調整です。
意外に難解なんです1098系は(´Д`;)