1098S オーリンズ リアサスペンションセッティング

2021/12/27

ようやく1098Sオーリンズサスペンションの調整を実施しました。848EVOSHOWAだったので調整機構が異なる上に専用工具が要りそうでまぁまぁ厄介です。

各調整箇所と必要工具

まずはリアから

① Rショック厚側調整

工具 : 不要オーリンズショックガスタンク横のダイヤルを手で回すだけ

右回転 : HARD 左回転 : SOFT

② Rショック伸び側調整 : 3mmHEX

工具 : 3mmHEX超ロング
AGが採用したのはボンダスボールポイント3mmHEX(3/8) シャフト長さが150mmでもカツカツです。(;´Д`A ```
(特価だったのでw)これにKTCのクイックスピンナをセットして回します。

ショックアブソーバーの根本左側面のHEXボルトを回して調整車体左側面からみてスイングアームに10mmほどの穴(写真〇印)が空いているところにショックの根本に向けて3mmHEX ボール付き超ロングを斜めに差し込んでアクセスして調整します。

斜め上から六角ボルトが見える位置はバックステップのプレート孔からです(;´Д`A ```

この穴に斜め上から突っ込みます。穴が見えないので回せているのが見えません!
クイックスピンナで回すと微妙なクリック感が感じ取りやすいです。 手で十分回ります。
何度か慎重に回してみて感覚を覚えるしかありません。

右回転 : HARD 左回転 : SOFT

③Rサスプリロード調整

工具: フックレンチ×2
フックレンチは、最初と最後のロックナットの開け閉めに2本必要で、AGはストレートのフックレンチ35~75(mm) 11-105


AELLA AE-76999 リアサスペンション フックレンチの2本を使います。

オーリンズショック径に適合するフックレンチなら何でもいいかと思いますが、トレリスフレームの三角窓から差し込んで回すので可動域がかなり狭いことから同条件で可動域を極限まで広げた形状のAELLAを推奨します。

アルミ製ですが7000番台の材料で軽量かつ意外にしっかりしていますし8,800円と高価ですが作業効率を考えると費用対効果は高いと判断します。

ちなみに最初と最後に使うストレート製フックレンチは柄が短いので三角フレームの中に納まり使い勝手がいいです。

 車両側面の三角フレーム内、ショックアブソーバーのトップのダブルナットの上側を緩めてから下側ナットを回して調整します。

ナットを緩める(上) : サス自由長が延びる(柔らかくなる。)
ナットを締める(下) : サス自由長が縮まる(固くなる。)

締めると車高が上がると思われます。

下記に、STDパワーハウス中野セッティングの両方を記述しておきます。

・STD(純正)
Fフォーク 伸び側減衰力 : 最強から 10クリック戻し
Fフォーク 縮み側減衰力 : 最強から 8クリック戻し
Fサス プリロード: 最弱から 8回転締める

Rショック 伸び側減衰力 : 最強から 10クリック戻し
Rショック 縮み側減衰力 : 最強から 10クリック戻し
Rサス     スプリングセット長 : 137mm

・パワーハウス中野セッティング
Fフォーク 伸び側減衰力 : 最強から 8クリック戻し
Fフォーク 縮み側減衰力 : 最強から 6クリック戻し
Fサス プリロード : 最弱

Rショック 伸び側減衰力 : 最強から 20クリック戻し
Rショック 縮み側減衰力 : 最強から 20クリック戻し
Rサス スプリングセット長 : 146mm

※このデータの信ぴょう性はいまいちで正しい値かどうかは判りかねますので悪しからず。

 

そもそも

リアサスセッティングの見直しが必要と考えた動機は、リアフェンダーにエキパイが当たった痕跡が見つかったのですがこれってリアサスペンションがフルボトムしている証拠だと思うのです。そういえば848EVOもそうでしたw確認したらリアサスのプリロードが最弱に変更されていることが原因だと思うので純正値に戻したいのです。

リアサスのプリロード

一般的に言われているのが1098Sのリアサスは2人乗り設定が標準で非常に固く、多くの方が1人乗りだと足が動かないのでリアプリロードを最弱にセッティングされているようです。
さらにこだわりのある方はサスペンションリンクキットにてレバー比を変更して改善されておりますがリンクキット(社外品)は新品で15万円以上する代物でして効果てきめんらしいのですがコスパが悪い為、サーキットをガチで走る方限定と捉えた方がいいと思います。
前オーナーもそれに倣ってプリロードを最弱に振っており、しかもフックレンチなしでマイナスドライバーか鏨でドツきまわしていたのでナットがガチャガチャに疵ついています(;´Д`)

AG用のプリロード設定

標準の2名乗車セッティングってだいたい60kg×2名の120kgくらいだと思うのですが残念なことにAG 1人がツナギやら装備品を着こむとそれに近いウエイトになってしまいます(;´Д`A ```
だからプリロードを最弱にするとフルボトムするのです。

乱暴に説明しますとAGの体重からして常時タンデム走行をしているようなものなのでプリロードは規定値に戻すべきと考えています! 悲しいけどこれ現実なのよね・・・

 

リアプリロード設定値

上記セッティングデータでは「リアサススプリングセット長〇〇〇mm」とありますが、セット長って何?というところから始まります。
後日ショップ店主に無理やり聞くと「サスの底からトップまでの長さ」なんだそうです。
というとサスが伸び切った状態のバネの長さですからスタンドで立てたら縮むのでタイヤを浮かす必要があります。
なのでサイドスタンドに荷をかけてタイヤを浮かせた状態で測定する方法と、思い付きですがステップにジャッキをかましてリアを浮かして測定する他ないでしょう。

ちなみにAGは後で聞いたのでこの方法は採用しておりませんw

別ソースの情報で

STD : リア プリロード(スプリング直上の下側ナット。上側はストッパー):最弱から20ミリ

とあるので不安はありますがこの方法でやってみたいと思います。

どこからどこまでを測定?

これ記述がなかったので本当のところはわかりませんが独自の判断に委ねます。

上側 : トップはストッパー
下側 : 上側ロックナットと下側ナットの接合部

この基準で測定すると現状で約12mmなので、あと8mmほどサスを縮める必要があります。

リアサスプリロード調整手順

①ロックナットの解除

ストレートフックレンチは下側ナットを固定
AELLAフックレンチは上ナットを回してフリーにします。※作業に入る前に三角フレームの養生が必須です。

フックレンチを回している際に急に外れてカキンッ!!とフレームにあたりキズが付きますので布を巻き付けるか養生テープで保護することを強く推奨します。
しかし巻き過ぎると、フックレンチの可動域が少なくなるのでほどほどがいいかと思います。
AGは適当に布を括り付けただけで施工したので何度かカキンッ!とやらかしてしまいました(;´Д`)

②プリロード調整ナットを回す

なんとかロックナットをフリーにした後は下側のプリロード調整ナットを締めこみサスを圧縮します。

現状が約12mmなので8mmストロークさせたい場合はショックのネジピッチが1.5mmだったと思うので5回転締めこむ感じとなりますがこれがものすごく時間がかかるんです。
※ダブルナット1カ所にマーキングすることを推奨しますないと何回転まわしたのかわからなくなってしまいます。

これ感覚で測定したわけではないのですがフックレンチをかけて三角窓の範囲をフックレンチ回しても2ピッチ30°くらいしか回せません。
なので1周回すのに12回フックレンチを回す必要があるので5周回すとなると60回フックレンチで回す必要があります(;´Д`)

疵つけないように何回も何回もホント嫌になります(;´Д`A ```

プリロード調整ナットのトラブル!

2008年式1098Sのオーリンズサスキット、ダブルナットの上側ロックナットは銀色(アルミ)で下側ナットは黒いんです。

最初はエラい汚れてる?

と思って拭いてやりましたが一向に銀色になりません。
今回のサス調整においてようやく気がつきました。

上側ロックナットをフリーにしてから下側ナットを単体でフックレンチで締めていきますが、1周回ろうかというところで急にトルクが上昇するのでさらにパワーでねじ伏せてまわしていくとバチンっ!!となって上側ロックナットと密着するのです???
最初は訳が分からず同じことを繰り返すたびにようやく気がつきました。

黒い下側ナットは樹脂製

でフリーで回してサスを押し下げている最中にサスの反力に負けて樹脂ナットのネジが飛んでロックナット位置まで戻されていたのです。

ここに樹脂ナットはないって!!!

後に聞くと樹脂ナットで当時評判が悪かったそうで、ピッチ飛びの回避策として、少し締めた時にロックナットも追いかけて締めるを繰り返してナットが上に戻る(ピッチ飛び)のを防止しながら締めていくそうなんです。
ショックのネジ部分に黒いのがついていますがナットが削れた跡と思われます(;´Д`)
OH時にアルミ製に変更するのも得策だそうです。
現行モデルはダブルナット共にアルミ製だったのでこれは失敗だったのではないかと推測します。

というわけでAGはダブルナットの接合部のクリアランスをほぼなくしながらダブルナットごと力ずくで回してやりました!
なかやまきんに君ばりに「パワーーーッ!!」と声をあげそうなほどに力でねじ伏せながら!
異変に気付くまでかなりタイムロスしてプリロード調整に2時間 大汗かきました(;´Д`A ```

③ダブルナットのロック

規定値まで下げたナットを上側のナットでロックして完了です。

今回のリアセッティング

伸び側減衰力:最強から 15クリック戻し
縮み側減衰力:最強から 10クリック戻し
プリロード : 最弱から20mm(STD)

今回はRプリロードを純正値に戻した時点で精魂尽き果てたので後ろしかいじくっていません。
そもそも足回りのセッティングは調整箇所が多いとどこの個所をいじくったことで変化したのか識別し辛いので正しい選択かもしれません。

調整後のツーリングでまぁまぁ距離を走ったのですが、リアからゴツゴツした突き上げ感が露骨になりました。
底付きの確認はできませんがおそらくここまで固くなれば当たっていないでしょう。

この突き上げ感を伸び側で抑制してあげるかプリロードを下げるかどちらかかな?と思って何もしていませんw

サーキットを主眼に置いた時にちょうど良い固さかもしれませんし、プリロード調整が面倒なのでしばらくこのままにしておこうかなと思っています。

そういえばフロントも底付き傾向なんだよね・・・・
後日フロントに着手します。

-DUCATI 1098S, GEAR, repair & maintenance