1098S シフトがNに入らない問題 対策その2 ②ネジロック剤の選定とボルトの錆取り

2023/06/02

クラッチ切れ不良の真因調査の為、社外品のクラッチ部品が到着する前に既存クラッチの手直し、いわゆる延命処置を行います。

その前にクラッチキット装着時に必要なネジロック剤について調査し手配しました。

サービスマニュアルによると

クラッチバスケット固定ボルト(13mmソケット 35Nm)
LOCK4 = LOCTITE 510

クラッチセンターナット(19mmHEX 250Nm)
LOCK5 = LOCTITE 128455

この2種類が必要だそうですがそれぞれを調べてみると・・・

LOCTITE 510

耐熱・耐薬品性に優れ、高温にさらされるフランジシールに適しています。 プライマー使用時の最大隙間は0.125で、剛性のあるフランジのシールに最適です。 LOCTITE 510は、金属接合部の隙間に入り、空気が遮断されると硬化します。 本製品は手動塗布、またはスクリーン塗布に適している汎用のガスケット剤です。

平面用シーリング剤。機械的応力および溶剤に対する高い耐性 高温に耐え (200 ℃まで)、350 気圧まで気密を保ち、0.4 mm までの遊び充填

 

LOCTITE 128455

128455 は、嫌気性保持化合物です。
酸素が存在しない状態で閉じ込められると、急速に高い強度を発揮します。 密着した金属表面の間の空気。
円筒状のフィッティング部品の接着用に設計されています。
特に高温での強度が高い場合

スライダーシリンダーまたは機械パーツのスレッド部への取り付け用恒久接着剤 機械的応力および溶剤に対する高い耐性 使用温度 -55~175 ℃

LOCTITE 510は入手可能ですがLOCTITE 128455がなぜか入手できません。
海外のドカサイトでも「LOCTITE 128455代用品ないですか?」と聞いてる人がいるくらい。
なので某有名SNS上で情報公開を求めたら意外な答えが返ってきました。

LOCTITE 510

ドライクラッチにシール性がいるのかどうかが疑問。
昔からLOCTITE 243 をクラッチバスケット固定ボルトとクラッチセンターナットの両方に使っていますということ。

高強度ネジロック剤を使うと外す時に大変ということも考慮し中強度の243推しだそうです。

エビデンスとしてはLOCTITE 243を推奨いただいた方は昔DUCATI整備お仕事に従事されていた方のようで経験則からくる納得のいく説明でした。

LOCTITE 243の特徴は?

LOCTITE 243
中強度の嫌気性ねじゆるみ止め用接着剤(青色)で、ナットおよびボルトをシーリングして固定します。
金属接合部で空気の供給を断つことによって硬化し、衝撃、振動によるゆるみや漏れを防止します。
LOCTITE 243は、中強度タイプ/中粘度の汎用のねじゆるみ止め用接着剤です。
LOCTITE 243は、活性金属(例:真鍮、銅)だけでなく、ステンレススチールやメッキ表面のような不活性な被着体にも使用できます。
高い耐熱性と油面接着性を有しています。
切削油、潤滑油、防錆油等への若干の付着に対して適用可能です。

・耐油面性 ・嫌気性 ・色:青 ・適用温度-55 – 180℃

比較して、嫌気性は一緒、メンテナンス時の取り外しを考慮し中強度、耐熱温度は少々落ちますが問題ないかと思います。

でも青ですw

早速LOCTITE 243を注文。 最小単位の10mlにしました。

(実際使用したところボルト8本と大ナット1個で3回以上は使えそうな十分な容量でした。)

ちなみに社外品バスケットによりますがネジロック剤が付属しているものがありますが510じゃないので訳が分からなくなってきました。

AGはアドバイス通りLOCTITE 243で統一したいと思います。
あくまで自己責任で運用します。
ネジロック剤は奥が深くてわかんないです・・・(;´Д`)

 

ついでにモーターサイクルショーでノリで買ってしまった錆取り剤をバスケット取付ボルトに使用してみます。

強力サビトルキラーとボンスター

まずボルト頭にサビトルキラーを落として側面→ネジ面と塗布して10分程度寝かせます。次第に溶液が紫色に変化しだします。(中性ですがちょっと匂いがきついです。)
紫色なので錆が取れてるのかどうか見えません。

10分以上放置した後、水洗いします。

錆は除去できているように見えますが化学反応を起こしたのか黒皮のような黒い表面でどうもスッキリしません。

そこでボンスターで頭部だけ磨いてみます。

金たわしの線径細い版で擦ると繊維が切れて粉がよく出ます。

しばらく磨くと鉄素地の色が出てきました。

これですよこれ!

やっと錆が取れてきれいになった感じがしますがまたすぐサビるんだろうなぁ(;´Д`)

後で磨かないと効果が現れないところを見るとサビトルキラーはボルトには向いてないのかな?

ちなみにネジロック剤は取れないのでネジ溝をカッターで削ります。

これで副資材?は揃ったので本体の手直しに取り掛かります。

-DUCATI 1098S, GEAR, repair & maintenance