1098S レギュレート・レクチファイア(レギュレーター)の故障原因とその対策
2021/10/14
レギュレート・レクチファイアの故障についてAGの見解としては“国産問わずいつかはやってくるもの“ と認識しています。
その根拠としてRVF400R(NC35)やCBR900RR(SC33)にて数回経験しているからで、DUCATI特有とは言い切れません。
ただ、当時はキャブ車だったので灯火類を消せばある程度は自走可能でしたがインジェクション車は燃料噴射も電気式なのでステージ4までいくと自走不能となります。
ちなみにDUCATI 1098はとある理由でレギュレーターの故障率が高かったためリコールが出でいます。
今回は故障ついでに原因を考察し、その対策を実施したいと思います。
ちなみにレギュレート・レクチファイアとはジェネレーター(ダイナモ)で発電した交流の電気をレクチファイアで直流に変換してレギュレーターで電圧を制御してバッテリーに供給するものでこれがないとバイクは動きません。
この認識であっていると思いますw
リコール
2007年・2008年式1098のレギュレート・レクチファイア(新電元 SH579EA)に関してリコールが発生した経緯があります。
(かなり昔のことなのでざっくり情報ですが)
レギュレーターを設置している場所がバッテリー下、ECUの奥でフロントバンクのエキパイと隣り合わせの場所であり、渋滞路などでエンジンがかかったまま冷却されないとどんどん温度が上がって、もともと熱々になるレギュレーターをさらに高温状態にしてしまうことでパンク(故障)してしまうといった現象です。
対策内容は、レギュレーターを固定しているバッテリーブラケット(バッテリーケース)を遮熱板付きの対策品への交換となっており、レギュレーターに関しては点検して異常が見つかれば交換だったようです。
ちなみにAGの1098Sはバッテリーブラケットが交換済みだったのでリコール対策済みのようでした。
某有名店でどのような内容で対策したかはわかりませんけど( ´_ゝ`)
今回の発生状況からしてAGが1098Sロールアウトさせたのが3月中旬の気温が高くない時期であり、渋滞にも巻き込まれていませんし水温も100℃を超えたことはありませんでした。
また発症した2回目の走行もシチュエーションは晩で風が強く肌寒い状況だったのでどうも腑に落ちません。
ステージ1が確認できなかったことから考えると前オーナー時にすでに故障しかかっていたことが考えられます。(前オーナーが悪いわけではありませんw)
後日バイクショップ店主に症状を説明したところ、
灯火類が消灯するのはオーバーチャージによりメーター含む灯火類がバグってしまうからでレギュレーターのパンクが原因ということでした。
当時現場のリコール対策はバッテリーブラケットとレギュレーターの交換を同時にやっていたそうでレギュレーターの交換だけしないということはなかったそうです。
ちなみに型番SH579EAは同じですがダメなレギュレーター(旧型)は裏返すと平べったい板状になっており、対策品は裏面もヒートシンクが付いているそうです。
というわけで後日ステージ3にステップアップした状態のレギュレーターを抱え、前走車にパッシングの嵐をお見舞いしつつ命からがら特設ピットに戻ってまいりました(;´Д`)
ロールアウトから1か月未満での帰還です。
早杉だょ~。
今回は次回ツーリングまで2週間の短納期で復活させる予定です。
レギュレーターの設置場所の是非
レギュレーターが故障する前に店主に聞いたのですが、レギュレーター保護の観点から純正の設置場所から反対側のフレーム部分に移設するのがトレンドになっているのは効果的なのか?という話。
たしかに純正位置は熱源が近い為にリコールとなったが、遮熱板付きのバッテリーブラケットに交換していること、そしてエアーマニホールドから走行風が導入されるレイアウトになっているから問題ないという見解でした。
一理ありますが、あくまで走行風を導入させることが前提だと思いますw
渋滞につかまらなければどうということはありません!
実際分解して側面から見てみるとエアーマニホールドのフィン付きインテークから走行風が・・・くるのかこれ?wこなくはないがダイレクトではないので効いているのかは不明。
レギュレーターの選定
1098Sのレギュレーターの裏面にヒートシンクがついている対策品の場合、同型のレギュレーターを導入しても再発する恐れがあるので発熱量の少ないMOSFETレギュレーターを導入することにしました。
ちなみにAG所有の1098Sの純正レギュレーターは裏面ヒートシンク付き(対策品)でした・・・
発熱の少ないMOSFETレギュレーター
↓
けむりの少ないお線香
・・・違うか(;´Д`A ```
先人がヒートシンク付き純正レギュレーターでの再発からMOSFETレギュレーター+設置位置変更にて対策されていることからYAMAHA純正YZF-R1用MOSFETレギュレーター 1D7 81960 01 (新電元 FH020AA)に決定しました。
スロットルボディ同様にYZF-R1用です。
現行モデルのPANIGALEなどにも装着されているようです。
新電元 FH020AAで検索するとamazonやらヤフーショッピングでも出てきますが、やたらと価格の安いものは偽物です。
なのでYAMAHA型番で買うと確実かと・・・
これです!ちゃんとYAMAHA純正箱に入っています。さらに当該レギュレターはDUCATI純正のように本体から配線が出ているタイプではなくカプラーが付いているので、
本体とは別に
レギュレーターに差し込むカプラー
と
バイク本体に結線するカプラー
が必要です。
ヤフオクではFH020AA+レギュレーターに差し込むカプラー端子セットが税込み14,900円で販売されていましたが、カプラーにも偽物があるようで、純正カプラーかどうかのその記述がないのであえて古河電気工業純正防水カプラーを別途発注することにしました。
■日本製■ 新電元 MOSFET FH010AA FH012AA FH020AA 古河工業製 レギュレートレクチファイア レギュレーター 純正 灰色 黒色 2個 コネクター カプラー セット 防水
灰色と黒色のセットを買いましょう!
カプラーは新電元ではないんだなw
※先人が上記、FH020AA+レギュレーターに差し込むカプラー端子セットが14,900円で問題なく装着できているのでセット品でもいいんですが、AGはポイントの兼ね合いもあって少々割高ではありましたが、すべてバラバラで発注することにしました。
パーツはまだ必要なものがあります!
次号へ続く