1098S フロントホイール装着 その2 フロントアクスルアライメントツールを自作

2022/03/14

前号より フロントホイール装着にはフロントアクスルアライメントツールが必要ということで自作に踏み切りました。

フロントアクスルアライメントツールの作り方

使用頻度などから考えて自作する方向で先人の知恵をお借りしてホームセンターで部品を買ってきました。

買ったのは
TSチーズ(φ30)

TSユニオンソケット

両方合わせて105円ですw
その他M6×15ボルト と M6ナットも必要です。

塩ビパイプにボルトを取り付けアクスルシャフトの切り欠き部をロックするツールです。

①TSチーズの加工(メイン素材)

TSチーズはアクスルシャフト内径にちょうど入るφ30のものを用意し、T字中央のパイプの端部から10mm程度の位置のどセンターにM6用の下穴(φ5.1mm)をあけてからM6タップでねじ切りを行います。

パイプのどセンターに穴あけをするのは難しいですがパイプ成形の合わせ目がほぼセンターなのでそれに合わせて下穴をあけるとセンター採りせずに穴あけ加工ができます。

ちなみに使用するのは片側の穴ですが貫通させて両方共にタップを立てておくとあとあと便利です。

塩ビなんで楽々加工です。といいながらAGがまた失敗してないかと様子を覗きに来た後輩君が全部やってくれましたw

②TSチーズにボルトを挿入

これ地味に難易度高いです(;´Д`)

というのもT字パイプの中央の穴の中からM6ナットを挿入したM6ボルトを回すだけなんですが内径が小さく指が1本しか入らないし後ろからも指が届くか届かないかなのでかなり苦労しました(;´Д`)指つりそう(-_-;)

ちなみにボルトのネジ部は無加工でアクスルシャフトのロックに使用します。
③ボルト高さを調整

アクスルシャフトの切り欠き幅は約6mm(M6が妥当?)

アクスルシャフトの内径からフロントフォークボトムケース内径までの距離(奥行き)は約3.7mmだったので、ケース内に傷つけない程度のボルト出っ張り長さ2mm迄で設定。設定高さまで達したらナットでロックしますが工具が入らず手回しで固定。←すぐに緩みますw

よく考えたら34mmの寸切りを付ければ上下に2mmずつボルトが出っ張ったアライメントツールができますよね・・・
もちろん後の祭りですけどw

④TSユニオンソケットを合体

情報ではユニオンソケット径がちょうどアクスルシャフトのボルト側の径と同じでシャフトを抜くときに使用できるということでしたが径が合わなかったのでTSチーズのハンドルとして使用しますw

自作フロントアクスルアライメントツールが完成したのでフィッティング確認をしたらT型TSチーズがフロントスタンドの受けに干渉して回せません(;´Д`)

またかよっ!

というわけで干渉箇所をぶった切って L字にしました。
というか塩ビの外径φ30mmエルボでもよかったのではないかと思われ・・・

作業に移行しますがその前に整備性が悪いのでフロントスタンドをキャリパーステー支持のJ・tripに入れ替えて作業をします。

この行為が問題の引き金を引いてしまいます(;´Д`)

再びアクスルナットの締め付け作業に戻ります。

事前にナットにモリブデングリスを塗布しておきます。


最初にアクスルシャフトの切り欠きに、自作アライメントツールを突っ込んで固定しておきます。今度はスタンドに干渉しませんw

正しい順番にて組付けたアクスルシャフトの右側をM30のトルクレンチにて締め付けます。
アクスルシャフト固定ナットの締め付けトルクは63N・m

ですが、

ちょっと低めがフリクションロスを低減させるとのことでAGは61N・mで締め付けました。
(60だったか61N・mか忘れたので61N・mにて締め付け)

フロントアクスルアライメントツールの是非

作業後にとある記述を発見してしまいました。

アクスルシャフトの共回り抑制のためにツールを使用せずクランプボルトを軽めに締めて共回りを防ぐというもの。

たしかにそれも方法の一つだと思いますがナットを締めこむことでアクスルシャフトがナット側に寄らない(横方向に移動しない)のでこの点に関しては問題が出るかもしれません。

キャリパーの固定

キャリパーをディスクに挟み込んでキャリパーボルトのネジ部にモリブデングリスを塗布してから締め付けます。

パッドが全開に開いているので挿入は楽でした。

キャリパーボルトはM8 HEX 締め付けトルクは
規定値の43N・mです。

クランプボルトの締め付け

左右2箇所ずつあるM6ボルトを交互に締め付けていきます。

締め付けトルクは19N・mで締め付けました。

ホイールセンターの確認

前述の組付け間違いから適正に戻して組付けましたがキャリパーボディとディスクのクリアランスが左右で異なっています(;´Д`)

目測ですが隙間が左側:0.5mm→ディスク←右側:2.0mmと左に寄ってます!

左側
右側
どういうこっちゃんねん!
というわけでまた問題です(;´Д`)

おもむろにフォークを見たらアクスルシャフトが1.5mmほど出っ張っています?

前回はこんなんやったっけ? たしかフォークとアクスル端部がツライチだったような・・・・
というわけでまたホイール外して確認です(;´Д`A ```

原因

いろいろと確認して問題個所を洗い出した結果、J・tripフロントスタンド受け部左右のクリアランスを狭く設定していたようでホイールを抜いたらキャリパーステーが内側に寄ってしまい、アクスルシャフトがツライチにならなかったのではないかというものでした。

スタンドアップした状態で受け部の位置を変えることはできないことよりホイールを取り付けてからフォークを外側に引っ張ってアクスルシャフトをフォークとツライチにした状態でクランプボルトを締め付けました(;´Д`A ```

これにより左右のクリアランスは均等になりました。

しかしながらキャリパー組付けに関してエア抜きが完了していないことよりディスクのセンター出しが終わっていないことと組付け時に回転方向寄りに組み付けていないこともあるのでホイール組付け作業を一時中断して、先にフルード交換→エア抜き作業を進めて再度一から組み直すことにしました。

ホイールを組むだけでこんなに苦労するとは思いませんでした。

まだリアも仮組み状態なのに(;´Д`A ``

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