1098S フロントブレーキのエア抜き作業

2022/03/19

先日ホイールの組付けに着手しバランスをとったはずなのですが、ホイールを回転させるとすぐに止まってしまいます。
おそらくフォークの取付け角度が上から見て内側に入ってしまっているため適正化すべく、まずブレーキのエア抜きを実施します。
作業前にスタンドをステムアップスタンドに変更して持ち上げます。

必要工具

・ブレーキエア抜きセット

DAYTONA 61825

・ブレーキフルード

CCI ブレーキフルード ゴールデンクルーザー DOT5.1

・プラスドライバー2番

リザーバータンクふた用

・11mmコンビネーションレンチ(メガネ可)

マスターシリンダーブリーダーボルト用

あまり使うことのない工具ですが必須です。

 

・8mmメガネレンチ(コンビ可)

キャリパーブリーダーボルト用

・ウエス

アッパーカウルを外す場合

・4mmと3mmのHEX
・8mmソケット

リザーバータンクへの注油時にスクリーンが邪魔になるのでアッパーカウルごと外すと作業が捗ります。

キャリパー脱着の場合

・8mm HEX

 

エア抜き作業

他機種にて過去から何度もやっているので手こずることはないと思いますが慎重に作業を開始。

①キャリパーボルトを緩める

単にエア抜きだけならこの作業は必要ありませんwキャリパーボルトを緩めて進行方向側(斜め上)にキャリパーを寄せてからガタつかない程度に締めておきます。

これはブレーキをかけた時にキャリパーが進行方向にもっていかれるために先に寄せておくことと、ブレーキング時にディスクのセンターにキャリパーがくるようにするためです。

②リザーバータンクの周りの養生

②-1 ハンドルを位置をまっすぐにする。
そうしないとタンクが傾斜して容量を誤認識するのですがハンドルをまっすぐにするとスクリーンが邪魔してフルードが注ぎにくいのでアッパーカウルごと外してしまいます。
(AGはアッパーカウルの換装作業があるのでついででしたが)

①-2 ウエスで周りを取り囲む
トップブリッジ周りにブレーキフルードをぶちまけると厄介なのでマスターシリンダーの周りにこれでもかとウエス類を巻き付けます。

③リザーバータンクのフタをあけてフルードを補充
+ボルト2本を緩めてダイヤフラムごと外します。

中身を確認するとタンクは空っぽでエアーがゆき届いているようでしたwあんだけフルードを噴出させたらフルードがなくなるのはカニエショナー(当たり前)ですw
なのでエア抜きには時間がかかることを覚悟しておきますw

フルードを補充します。

いきなり泡だらけですw
④マスターシリンダーのエア抜き

他メーカー製はないかもしれませんがbremboのマスターシリンダーにはレバーの根元にブリーダーボルトがついています。 まずはここからエア抜きしないといけないようです。

予めウエスで養生してブリーダーボルトだけ出した状態からキャップを取り外します。キャップ紛失注意
ってかウエスだらけで何が何やら・・・
11mmのコンビレンチをセットしてからブレーキエア抜きセットのチューブをセットします。

brembo新カニリアブレーキブレーキマスターシリンダーのブリーダーボルト径は11mmです!

848evoのリアブレーキのブリーダーを緩める際に11mmがなかったので追加購入していたのが役立ちましたw

※ホースをいったんブリーダーから上に上げ廃タンクへとレイアウトするとエアーが逆戻りしません。
マスターシリンダーはミラーステーにホースをテープで固定します。

リザーバータンクをオイルで満たしたらブレーキレバーをシュコシュコと握り倒します。

レバー抵抗がない状態からフルードいきわたる50回以上はポンピングしたと思います。

途中タンク内を枯渇させないようにフルードを継ぎ足しながら、ようやくブレーキ感が出てきました。

レバーを握ったままブリーダーを緩めてフルードが出たら締めこみます。
細かなエアーがでてきます。これを数回繰り返してマスターシリンダーはいったん終了です。

※排出ホース内のフルードが抜けたのを確認してからウエスをあてがいフルードが飛び散らないようにしてからホースを抜きます。

⑤左キャリパーのエア抜き

1098はマスターシリンダーから来たフルードが右キャリパーに入って左キャリパーに行くので、一番遠い左キャリパーからエア抜きを行います。

やり方はマスターシリンダーと同様にフルードが充填出来たら
レバー(1・2・3)握る → 緩める(ジャー)→ 締める を繰り返します。
分解清掃を行った場所ですので空気だらけだったので、出たフルードは細かなエアーがいっぱいで白濁したものがたくさん出てきました。
最後はブリーダー付け根にウエスをあててホースを抜いてからパーツクリーナーで洗浄します。

⑥右キャリパーのエア抜き

左キャリパーと同様の作業でエアーがたくさん出てきました。

というわけで マスターシリンダー → 左キャリパー → 右キャリパー と2巡します。
だいたい2巡目で各所エアーが出なければエア抜きは完了となります。

キャリパーのエア抜きが完了したらレバーを握りっぱなにしてキャリパーボルトを増し締めをしておきます。
これで横方向のズレが解消できるはずです。

注意点

ブリーダーキャップは外して作業しましょう!

AGはキャップしたまま締めこんだらスカ食らってボルトがナメました(-_-;)

-DUCATI 1098S, GEAR, repair & maintenance