1098S 乾式クラッチパーツの検証とプレートの順序
2024/11/12
今回AG内で騒動となった「シフトがNに入らない問題」ですが、純正クラッチ&スチールプレートそしてバスケットのリペアを行うことにより暫定的ではありますが問題なく動作するようになりました。
結果的にリペア前に巨費を投じて入手したパーツ達(クラッチ&スチールプレートとバスケット)は当面の間ですが使用せずに済んだことになります。
しかし、いずれやってくるクラッチ交換に対して即座に対応すべくパーツの確認とクラッチ&スチールプレートの並びについてマニュアルを熟読して下準備しておきます。
と、もっともらしいことを記述しましたが要は “忘れる前に部品の仮組みをしてしまおう” ただそれだけですw
クラッチバスケット
アメリカから持ち帰ってもらったバスケットを確認していきます。
Barnett Ducati Dry Clutch Basket 321-25-01812
(2009 And Older 6-Speed Dry Clutch Models) (Gold)
Made in USAと書かれた“いかにもアメリカ”っぽい箱を開けると真っ赤なバスケットが登場!
鮮やかなRedですねぇ。。。(。´・ω・)ん?
Goldちゃうんかえ!(゚Д゚)ノ
たしかAmazon.comには写真はRedですがGoldの表記だったので ”Goldが売れ残ってセールになってる” と思ってましたがやってきたのはRedでした。
再確認したら型番も 321-25-01812 でRedの型番でした。
ちなみにGoldの品番は 321-25-01012 になります。
嬉しい誤算ではありますがクラッチカバーを付けたら全然見えないので色はどうでもいいんですが(;´Д`)
付属品としてマニュアルとBarnettステッカーとネジロック剤がついていました。
バスケットの固定用ボルトのネジロック剤はLOCTITE 262でした。
(以下なぜかLOCTITE 263で説明していたので262修正しておきます。)
LOCTITE 262
高強度固定用ねじゆるみ止め接着剤です。
塗布する際チキソ性があるため液ダレがなく、耐化学薬品性に優れています。
スタッドボルトおよび過酷な作業条件でのねじ固定に適した強力接着剤で、振動によるゆるみを防止し、ねじ部のシール漏れ、腐食および焼付けを防止します。潤滑性あり。
MIL-S-46163規格に適合。
用途高力ボルトの固定 使用温度範囲(℃)-55~150
粘度(mPa・s[cP])1200~2400(チキソ)
破壊トルク/脱出トルク(Nm)22/32
液色:赤
主成分嫌気性樹脂 推奨ねじ径M20以下 固着時間(分)25
高強度固定用ねじゆるみ止め接着剤
たまに脱着するからそんなに強いのはいらないんです。
チクソ性ってなんやねん!
なのでリペアで使用した中強度のLOCTITE 243でいいのかなと
バスケットの特徴
クラッチ板のハネが接触する箇所にSUSプレートで補強している点です。
もしかしてSUSプレートの入替えができるのかなと思いましたが、かしめリベットで留めているので分解不可のようです。
変化点といえば当たり面のマテリアルがアルミからSUSに変わるのでおそらく高周波の金属音になるのではないかと←楽しみ♪
クラッチキット
ミニアタッシュケースのような少しチープなケースを開けます。
SURFLEX(サーフレックス)S2343 Racingタイプ(Surflex Clutch Friction Discs modification kit for Ducati 1098, Hypermotard)
図面上では4種のプレート(ワッカ)の構成
イタリア語を直訳したので名称が変ですが意味は妄想で補完しますw
1.ドライトリミング ディスク 8枚
フリクション(クラッチ)プレートです。
すべて同じ形状で表裏はありませんが摩擦面のスリットがありません。
微々たるものですが面圧があがるのでしょうか?
新品厚み:t=2.97mm(公称:3.0mm)
3.スチール ディスク 7枚
シルバーのスチールプレート
新品厚み:t=1.49mm(公称:1.5mm)
4.異なる厚さのスチールディスク 2枚
表面が黒いスチールプレートなので高炭素鋼でしょうか?
新品厚み:t=2.03mm(公称:2.0mm)
”異なる厚さ” って(;´Д`A ```
”分厚い方” とか書けばいいのにw
クラッチ中央付近に配列するようになってますが意味あんのか?
5.ロードモジュレーションスプリング1枚
内側のギアかけてすり鉢状になった外径が最小のワッカ
センタードラムの最底に配置、向きは外周が上向きでセットするので
\ /←こんな断面です。
※5番 ハの字(逆向き)にすると滑るのでたぶん動きません(-_-;
の計18枚になります。
ちなみにマニュアルに2番の記述がないのは不明。
並べてみます
マニュアル通りに並べると以下の順番になります。
※S2343クラッチキットの配列なので他メーカーのクラッチは順番が異なります。
縦配列(外側上から)
プレッシャープレート
バスケット底
上記写真の順番で並べていけば組みあがります。
横配列にすると
TOP 3 1 3 1 3 1 3 1 4 1 4 1 3 1 3 1 3 5 bottom
※とにかくマニュアル要参照です。
マニュアル記載の順番通りに並べてからBarnettのバスケットに仮挿入してみます。
ハネとバスケットの隙間も測定不可なほど詰まっています。
というか
純正形状のBarnettバスケットとSURFLEXクラッチキットはキッチリとハマります。
すぐにでも交換したという逸る気持ちをグッと堪えて来るべきに日備えチープなアタッシュケースに入れてクローズです。